こんにちは。駿河屋の九代目当主一桝です。

先日は古民家を再生の為の勉強会で「川崎市立日本民家園」へ行ってきました。現代の日本の住宅は工業生産品のような装いですが、日本古来の古民家はどこかモダンで、力強く、ムダが無い洗練されたデザインです。

そして当然ながら、こうした住宅には、藁や土や漆喰など、天然のものしか使われておらず、とても居心地が良いのです。これに「温かさ」がプラスできれば、世界に誇る住宅と言えるんですけどね。

僕たちが提案するのは、そうした自然由来の心地よい環境を、現代の建築の法律の中で、いかに実現させるのかということを目指しています。しかしせっかくそうした自然由来の安心・安全な住まいを作っても、住まい方を間違えてしまうと、とってももったいないことになってしまいます。

今日はそんなお話し。

それでは、今月も子育てママにお役にたてる、おうちの中で大切なこと、発信します！

【シックハウスについて住まい方を考える】

シックハウス症候群について考える場合、まずみなさんの住環境と生活環境を分けて考えることが大切です。

住環境、すなわち建築材料から揮発する有害な化学物質による室内の空気汚染です。

これは、そういった新建材を使わないことである程度回避することが可能です。

しかし、少ない知識や間違った知識のままですと自然素材といっても、樹脂などが混入していたり、漂白や防虫剤、燻蒸された木材を使った木材をフローリングに使ったりしては、せっかく自然素材で住宅をたてても、「美味しい空気」にはなりませんし、シックハウスになる可能性が生じてしまいます。

生活環境はどうでしょうか。

芳香剤や防虫剤、洗剤やシャンプー、歯磨き粉、子供のおもちゃなんかもそうです。

厳密に言えば、雑誌やパンフレットなど印刷物やパソコンなども影響を与えるのです。

私たち建築の専門家の間では、現代の住宅は室内に持ち込む様々なものから発生されるものは、予測できない領域まで広がっていて、持ち込まれたそれぞれの物質が、二次的に変化して汚染をすると考えていて、もはや換気抜きには考えられない住宅と考えています。

そう考えると、住宅にたいする考え方、そこに住む人の住まい方はもちろんのこと、普段の生活のありかた、科学物質に取り囲まれた便利さを追求した生活環境についても考えていかなければ、シックハウス症候群の問題解決の道は難しいでしょう。

特にそうした物質は、床から30㎝くらいのところに滞留していると言われていますし、室内では床の空気を沢山吸っているというデータがあります。

なのでお子様はもちろん、小型ペットも影響をとても受けます。

私の友人がラグマットを買い換えた時、ペットのワンちゃんが、とても痒がって、脱毛症になりました。以前からそうした症状はありましたが、それをきっかけに激しくなったそうです。こうした例は、生活環境が原因となった化学物質過敏症と考えてよいでしょう

次世代住宅の「高気密」「高断熱」はエネルギーロス・エコ的視点で考えればとても大切ですが、健康な住環境として考える場合、厳選された素材で室内を仕上げることは、もはや必須なんですね。