シックハウス症候群・化学物質過敏症は誰でもなるわけではありませんが、
誰でもなる可能性があります。
これは花粉症と同じで、個人差はあるものの、
ある一定の量を超えると発症すると言われています。
よく、バケツで例えられますが、
化学物質を許容する大きさのバケツを、
皆さんそれぞれ持っています。
その大きさは人それぞれで、
大きなバケツの人もいますし、
小さなバケツの人もいます。
たとえ大きなバケツを持っていたとしても、
長い時間、多くの化学物質を体内に蓄積すると発症します。
逆に、小さなバケツの人でも、
化学物質から離れた生活をしている人は発症しません。
私は医師ではないので、
医学的根拠のあるお話しはできません。
しかし、私たちの業界の一般的な人よりも、
はるかに専門医と話しをする機会は多いのです。
現在も、化学物質過敏症・シックハウス症候群でお悩みの方の
リノベーション(フルリフォーム)や新築、リノベーションなどの設計・施工の相談をうけていますので、
そうした経験からお話ししたいと思います。
また専門書から得た知識も通常の方よりも多いと思われますので、
そうした知識を含めなるべく解りやすくお話ししたいと思います。
では、こうしたシックハウス症候群・化学物質過敏症ですが、
なりやすい人、なりづらい人というのはいるのでしょうか。
目次
シックハウス症候群・化学物質過敏症 なりやすい人となりづらい人
体内に蓄積された化学物質は、
排泄などでは体外に出しづらいと言われています。
その為、発汗をすることが有効だという考えもあります。
しかし、サウナなどの発汗では排出されず、
運動による発汗が効果的だと言われています。
その為、もともと汗をかきづらい人、
運動習慣のない人は、蓄積された化学物質を排出しづらい体質だと言えます。
賃貸の場合、入居するのは通常、リノベーション(フルリフォーム)直後です。
リノベーション(フルリフォーム)では新建材を使っているものがほぼ100%です。
何度か賃貸の大家さんから
自然素材リノベーション(フルリフォーム)を相談されたこともありますが、
やはり価格が通常のリノベーション(フルリフォーム)より高額になることで、
断念される方が多いです。
やはり他人の環境より自分の環境に投資するのは
心情として仕方なく、当然ながら責めることは出来ません。
1990年代に社会問題となったシックハウスですが、
2003年に建築基準法の改正により、
建築資材(新建材)の化学物質含有量が多少見直されました。
しかし、
「化学物質は現代住宅では仕方ないので24時間換気をしていなさい」
というのが現代の法律なのです。
その中で、リノベーション(フルリフォーム)は24時間換気が義務づけられておりません。
ですので、リノベーション(フルリフォーム)したての賃貸住宅で、
24時間換気設備の設置されていない住宅に住むというのは、
化学物質の影響を大きく受けることになるのです。
新築の分譲住宅やマンションでも、
通常は完成直後に入居しますので、
こうした新建材により化学物質の影響をとても大きく受けることになります。
特に新築住宅は合板(フローリング・ベニヤ等)も新しいので、
合板から発散される化学物質の量はとても多いと考えられます。
押入などは通常、合板(ベニヤ)むき出しです。
そうした空間に寝具を入れて、
睡眠の時に化学物質に汚染された布団で寝るというのはどういうことか考えて見て下さい。
一日の1/3とも1/4とも言われる睡眠時間です。
日中の疲れをリセットする為の睡眠の質が悪くなるのはあたりまえで、
なんとなく疲れが取れないなという方は十分に注意が必要です。
このように引っ越しが多い人は、
頻繁に濃度の高い環境で生活をしているケースが多く、
相談者の多くはこうした方です。
シックハウス症候群・化学物質過敏症になる方は、
もともと臭いに敏感な方のようです。
芳香剤や香水などのにおいが気になる人。
排気ガスやたばこの臭いに耐えられない人。
こうした方や、臭いの判別などがよく出来る人も敏感な人です。
僕は傷んだ食べ物の臭いに結構敏感ですし、
タバコや排気ガスは苦手です。
ホームセンターなども臭いが強烈ですので、
長く滞在は出来ません。
なので新建材の臭いですぐに頭が痛くなります。
現代生活は、なにも考えないと化学物質を多量に含んだ生活品に溢れています。
芳香剤や消臭剤、除菌剤や防虫剤。
これだけで今の家にどれくらいあるか考えてみて下さい。
歯磨き粉や洗剤やシャンプー、ボディーソープなどもそうですし、
クリーニングもそうです。
畳は染料で染められ、カーテンは防炎材に浸かっており、
家電からもパソコンからも排出されます。
カラー雑誌などの印刷物も沢山の化学物質が使われています。
車の内装は化学物質が含まれていますし、
バスや電車などの交通機関もそうです。
タクシーの消臭剤、芳香剤の強烈さに、
乗った瞬間に辟易することもあります。
趣味で化学物質を使う方は注意が必要です。
油絵やプラモデルづくり、
仕事で化学物質を扱うことが多い場合にはなおさらです。
このように気をつかっていたとしても、
現代人は様々な化学物質の暴露を日常で受けています。
ですが、日常で少し気をつかう、
意識することで量は大分減らすことができるのです。
換気を心がけたり、日用品を少しナチュラルなものにするなど、
出来ることは沢山あります。
現代の食品は、油断をすると大量の添加物が
含まれているものを口にしてしまいます。
肉類の脂肪やレバーの中にも
化学物質の蓄積があると言われています。
また、薬を長期間飲み続けている人も注意が必要です。
薬も当然化学物質だからです。
人は1日に食べ物を2kg、水を2kg程度口にすると言われています。
空気は1日に20kgです。
空気は環境なので、なかなか変えることは出来ません。
特に職場環境は現代社会では
簡単に変えることは非常に難しいと思います。
ですが、食べ物は自分の意思で選択することが可能です。
食べ物から受ける影響もとても大きいので、自ら意思で選んで下さい。
僕は
「工場から出てきた食べ物はできるだけ口にしない」
というルールをつくっています。
もちろん忙しい時はコンビニのお弁当こそ食べませんが、
オニギリくらいは口にします。
なにか自分でルールをつくることも、自分を守る為に必要です。
アレルギー体質の方、アトピー性皮膚炎の方は発症しやすいというより
、化学物質によって、それぞれの症状が発症に繋がったと考える方が妥当だと思います。
すでに発症しているので、専門医の指示のもと、
適切な環境にすみやかに移動、引っ越し等をすることをお勧めします。
家族の理解を求め、十分に気をつかった生活をしなければなりません。
お子様が既に発症していて、様々な理由で引っ越し、
そこを離れられない場合もあると思います。
そうした場合には、まずオモチャや寝具を疑って下さい。
オモチャのテントなどに入って遊ぶ、
オモチャが寝室に大量にあるなど、そうしたものを遠ざけることから初めて下さい。
暑い日に日干しするのも有効です。
その他様々な方法があります。
シックハウス症候群・化学物質過敏症にはどのような人がなりやすいか。
専門医の方々、専門書籍、私自身の経験をもとにお話ししてまいりました。
2015年の建築士指定講習会のシックハウスの項目に書かれていることをここでお知らせします。
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住宅が高気密になると、エネルギーロスが少なく冬でも暖かいが、
それと裏腹に、空気の換気が不十分になりがちとなる。
新築工事で使っている建築材料の接着剤や壁紙の糊剤、塗料に含まれる溶剤、
シロアリの駆除剤などが夏場の暑い季節等に建築材料から揮発や蒸発をして
空気中に飛散する。
シックハウス症候群とは、この有害な空気を吸うことによって
健康生涯を生じるというものである。
男性は在宅時間が短く、体力も比較的高いことから、
女性や子供に比べて被害は少ない。
シックハウスについては、その被害が更年期障害や精神不安定、
一般的なアレルギーなどとして見過ごされ、長い間認知されていなかった。
特に乳幼児は、空気が淀みやすい床面から
30㎝程度の汚染されやすい空間で過ごすことが多いことから
障害を発生しやすい。
幼年期にシックハウス症候群にかかると体が過剰反応するようになり、
アレルギー体質になりやすい。
平成27年度 第一版 建築士定期講習テキスト
Ⅱ-124
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例年、こうしたテキストにはシックハウスに関して、
すこし触れている程度でしたが、
このように明らかに住宅による健康疾患がある、
特に乳幼児は発症するとアレルギー体質になりやすい
と書かれているのは今年が初めてでした。
経済は多数の人々に影響が出なければ、
少数の人々が健康障害になっても、
その医療費負担が少額であればそれでよしとするのが経済です。
難病医療が進まないのはそうした背景があるからだとも言われています。
経済はどういう仕組みでまわっているのか。
広告は正しい発信をしているのか。
自分はどうありたいのか。
まず考えることから始めることが大切ですね。
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<編集後記>
最後にお話しした、建築士の指定講習会のテキスト
とても大切なことが書かれていますが、講義中触れられることはありませんし、
最後の試験の出題範囲でもありませんでした。
一体どれだけの建築士がこの項目を読み、顧客へ伝えるのでしょうか。
駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
幸せの住まい作り最初の一歩を間違えない為の
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