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マンションは「品質確認」の為に築10年たった物件を買う

RELEASE:2019.01.21     UPDATE:2019/01/22
CATEGORY:ブログ, マンションについて, 社長ブログ
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皆さんこんにちは。

一級建築士、一級建築施工管理技士、宅地建物取引士、厳選素材アドバイザー、駿河屋の九代目 一桝です。

 

消費税増税などのスケジュールもあって、中古戸建てや中古マンションなどを購入して、リノベーションする相談が例年より増えております。

 

私自身も会社員時代に鉄筋コンクリートのマンションや、鉄骨造の商業施設を建設する現場所長をしていたので、どんな施工管理をしたら、どんな欠陥マンションになるのかは、とても良くわかっていますし、他の物件の施工管理を見て「あ~あ」と思うことも沢山ありました。

 

僕にとって建物は「透けて見える」ものです。

それぐらい熟知しています。

 

なので、「新築マンションを買ってはいけない」セミナーなどを開催して、なぜ中古物件が良いのかという話しをよくしていました。

今日は「マンションは「品質確認」の為に築10年たった物件を買う」のはなぜかをお伝えします。

 

欠陥マンションは実在する

 

欠陥マンションと言うと、なにか法的に違反したり、施工不良でニュースになったりなど、大きな事を想像してしまうと思います。

 

しかし、「気づかれない欠陥マンション」や「ニュースにならない欠陥マンション」は、私が道を歩いていても見かけます。

それぐらいの確率であります。

 

一番気づくのは「タイルの剥離(はくり)」や「ヒビ割れ」です。

 

※剥離(はくり):はがれてとれること

 

タイルの張替が異常に多い物件やヒビ割れが多い物件は、目に見える欠陥ですが、一般の人は意外と気づかないようです。

 

僕の友人はビルなどの改修工事専門の仕事をしています。

先日、彼からこんな話しを聞きました。

管理組合からの依頼でタイルの浮き(剥離の手前で剥がれて浮いてしまった状態)どの程度あるか調査を依頼され、剥離の量によっては施工会社に責任をとらせることもある。

 

タイルが剥離すると落下して歩行者に当たるなどすると大事故になります。

この事故を未然に防ぐために、浮いている箇所はないか?打診検査という方法で、タイルを1つ1つ叩きながら浮いている箇所を調べるのです。

このタイルの「浮き」が多すぎる場合には施工会社に品質管理責任を問うということです。

 

大概の施工会社はニュースなどになると世間的に困るので、示談を提案してくるようです。

管理組合側も自宅の資産価値が低下するので、公にはしたくないのだと思います。

 

こうした欠陥はプロの目で見ると明かですが、プロが見てもわからないところがあります。

それは隠れた部分ですが、目で見える欠陥のあるマンションは、他の部分でも施行管理がおろそかで、基本的な品質基準が満たされていない事もあるのではないでしょうか。

 

こうした目でマンションを見ると、施工の雑なところ、気配りが足りないところが見えてくることがあります。

 

以前書いたブログ

ブログ【リノベーション(フルリフォーム)の成功に職人技は要だけど現場監督の質はもっと大切な理由】

 

にも書きましたが、現場監督という施工の品質を守るプロの意識が低かったり、突貫工事だったりすると、良い建物はできません。

 

 

築10年以上のマンションがおすすめ

 

中古マンションを購入する際には「築10年以上がおすすめ」だというお話しをしています。

理由は価格の下落カーブがゆるやかになる時期。

つまり、値段がある程度下がって物件本来の価値の価格になる時期だからです。

 

新築当時は広告費やデベロッパーの利益などが物件価格に上乗せされているわけですが、それが10年くらいかけて徐々に下落してきます。

新築マンションは購入した瞬間に20%価格が下がると言われているのはそのためです。

(フルローンで新築マンションを買って、すぐに売らなければならない状況になると、ローン残高が売却金額を上回ってしまうという恐ろしい状況になります)

 

そして、なにより物件の瑕疵(欠陥)があらわになる時期も10年ぐらいたった頃です。

 

最初の大規模修繕はおおよそ13年目くらいに行うマンションも多いので、大規模修繕が終わった物件であれば、タイル張替やクラックの補修など、素人が見てもわかる瑕疵の修繕が行われているので、どの程度不良箇所が出ていたか判断するのも容易です。

タイルは焼き物なので、同じ色のものは基本的に手に入りづらいものです。

タイルの浮きが見つかり、多数張り直した場合には似たようなタイルを貼ることになりますが、そうした場合、微妙に色が違っていることになるので、張替た場所はよく見れば誰でもわかります。(冒頭の写真のようになります)

 

その他目に見える部分は大規模修繕で補修できたかもしれませんが、先ほどお話しした通り、目に見える部分に瑕疵があれば、目に見えない部分の瑕疵もある可能性が十分にあるということです。

施工管理のずさんさは、現場監督のモラルの低さと、無理な予算や工期によるため、全体的に歪みが出る可能性が高いと思います。

 

 

新築マンションや築浅マンションを購入するリスク

 

お話しした内容から、いかに新築マンションはリスクがあるかがわかったと思います。

建物は完成したときは綺麗でも、年数によって嘘が次第にバレてきます。

 

去年、あるお客様のマンション購入のお手伝いをした際に、現地を訪れたマンションは10年目に大規模修繕をしていましたが、塗装の劣化が尋常ではありませんでした。

 

たぶん、施工での利益を上げるために、安い発注先を選択し、塗料の質も落としたのでしょう。

 

こうしたことは、築浅マンションでは判断が付きません。

私たちプロでも新築時にはわかりません。

 

しかし、年数がたつほどに、欠陥部分は露呈してくるものです。

その判断が出来るのは10年以上経過していなければわからないのです。

 

 

今日の「わかった!」

 

マンションは工業生産品ではありません。

工場で一定の品質が保たれて製造されているものではありません。

 

外気にさらされながら四季の気候にさらされ、人の手で1つひとつ作られています。

そこには施工管理責任のあるゼネコンの現場所長をはじめ所員の方々が一生懸命に働き、つくりあげています。

 

しかし、残念ながらムリな工期や人員不足で工期が守れず突貫工事になったり、施工管理意識が低く、品質が低下してしまったマンションも存在します。

 

こうしたマンションの品質を見極めるには最低10年経過していないと、客観的判断ができないのです。

 

正月は妻の実家に家族で行ってきました。

妻の実家に行くのに、いつも通る道があるのですが、その道沿いに私が初めて現場所長として担当したマンションの前を通ります。

 

毎年そこを通過するたびに、自分の子供に会うような気分で覗くのですが、自分でもほれぼれするような佇まいで、劣化が感じられないんです。

 

もう25年前の建物ですが、ちゃんと作った建物は全然違うということを実感しています。

 

 

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<編集後記>

 

西さんが地元のサンドイッチ屋さんをデザインしたので、挨拶に行ってきました。

 

 

行ってみたらオーナーは僕の中学の後輩!

 

これは応援しなくちゃねーとFacebookに早速投稿したら、それを見た地元の皆さんが、買いに行って下さいました!

 

嬉しいですね~!

 

 

 

 

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