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新月伐採(月齢伐採)・葉枯らし天然乾燥の木材について

RELEASE:2019.05.30
CATEGORY:ブログ, 社長ブログ, 自然素材
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みなさんこんにちは。

 

昨日は駿河屋の故郷?

 

静岡の天竜に木を伐りにいってまいりました。

 

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当社がお客様にまずお勧めする天竜杉、天竜桧は

 

新月伐採(月齢伐採)、葉枯らし天然乾燥材です、

 

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2月としては珍しく温かく

朝日を浴びて、前日の雨?朝露?

木材からの水分が蒸発していきます 

 

 

 

天竜市の素晴らしい方々が山で育て、切り出し、

2年もの歳月をかけて乾燥させ

そして製材して出荷しております。

 

今日は「新月伐採」(月齢伐採)「葉枯らし天然乾燥材」についてご説明します。

 

 

 

 

●「新月伐採」(月齢伐採)について

 

2003年に「木とつきあう知恵」という本が翻訳され出版されました。

 

これは

 

オーストリアのチロル地方の営林職員の方が、

1996年に出版し、大ベストセラーとなった本で

 

月が示す正しい時期の伐採をした木材は

極めて良質の木材になるというものです。

 

 

その後チューリッヒ大学で研究され、

正しいと実証されてからは、

オーストリアの森林局も方針を180度転換し

「新月の木」かどうかを木材の証明書に明示するようになったといいます。

 

あのヴァイオリンの名器「ストラディバリウス」も

新月の木でつくられていると言います。

 

 

実は日本でも、「木は8月の闇に切れ」という言葉が

500年以上前の書物にも残っています。

 

■愚子見記(ぐしけんき)

現存する最古(500年前)の建築書

江戸時代前期の法隆寺工匠・平政隆が記したもの

「竹ハ八月ノ闇ニ切テ良シ」とある。

 

 

 

これは旧暦の8月、つまり現在の9月から10月上旬ごろの「闇夜」

新月に切るとよいという意味なのです。

(新月伐採(月齢伐採)は厳密に言えば、下弦から新月になる前まで)

(春は水分をどんどん吸い上げるので伐採に適していない)

 

世界最古の木造建築として知られている法隆寺も「闇伐りの木」つまり、

「新月の木」を使っていると言います。

 

 

では、なぜそうした素晴らしい先人の教えがなくなってしまったのか

 

それは、効率や生産性、そしてコストを重視した為に

いつのまにか忘れ去られてしまったのです。

 

これは「天然乾燥材」が極めて少なくなってしまったのと全く同じ理由です。

 

 

 

●葉がらし乾燥・天然乾燥材

 

通常の木材は、山から切り出すと、製材して人工的に乾燥させ

狂いが出ないようにして出荷されます。

 

しかし

 

本来、材木というのは人工的に乾燥するなど

あり得なかったのは考えて見れば当然のことですよね。

 

昔からある天然乾燥の対極にある人工乾燥とは

どういうことなのでしょうか。

 

人工乾燥とは、木材を乾燥庫に入れ、温度を上げて、木材内部の水分が移動しやすい状態を作り、

湿度等をコントロールして、適切な乾燥を7日から2週間などの短期間で行うものです。

 

つまり、人工的に「木のミイラをつくる」ということ。

そこには香りや色つやなどは、本来の姿ではないと言っていいでしょう。

 

また、内部割れや強度の低下も問題視されています。

外部が一気に乾燥し固まり、内部が乾燥して行くので割れが生じてしまいます。

 

表面が固くて中が弱い

ある意味、今の建築基準法通り、表面にビスを打って

金物で止めなければならない材料です。

 

人工乾燥で内部がスカスカに乾燥しているのに、

伝統工法で施工したら、逆にあぶないかもしれません。

 

恐ろしいことに、試しにたたいてみると、内部割れした柱は

なんとも言えない、空っぽの音がします

 

 

天然乾燥材は100年かけて、じっくりと強度が上がっていくのに対し

人工乾燥材は、一気に劣化させて、あとは強度低下をしていくだけなのです。

 

 

人工乾燥の歴史は、明治42年ごろに乾燥装置が初めて輸入されることから始まります。

 

その後大正10年ごろに民間企業に普及されてきます。

 

大きく普及されたのは、関東大震災後の復興需要、

そして敗戦後の復興需要が大きかったと思われます。

それだけ住宅などに使用できる木材を作り出さなければならなかったのです。

 

また現在のもう一つの側面として

 

30年、40年前は木材の価格が5万/立米くらいでしたが

現在では110以下の 3~4千/立米くらいになってしまいました。

 

ここまで安くなってしまった国産材は、国から補助金をもらって

運営していくのがやっとです。

 

なるべく手間暇かけずに製品にしなければなりません。

 

その為に、自然の乾燥に任せる天然乾燥などをしていたら

場所や管理コストもかかりますので、当然生産者はやりたがらないし

施主もそこまで知らないし求めてもいないというのが実情でしょう。

 

しかし

 

天然乾燥を行うと、

一般的に「人工乾燥」をした木材とは全く別ものになるのです。

 

これは、当社でお客様に見比べて頂いておりますが

香りといい、艶といい、本当に素晴らしい。

 

私が最初にお勧めするのは、まさに天竜の天然乾燥材です。

 

次に「葉枯らし乾燥材」について説明します。

 

葉がらし乾燥とは、山で木を切り倒したまま、

乾燥の為、数ヶ月放置する方法です。

 

この葉枯らしという方法は、木の養分を飛ばす方法と

考えてよいでしょう。

 

そうすることによって、養分が少なくなるので

虫が付きづらい木になるのです。

 

葉枯らし乾燥をやってるというところは

全国にも多数ありますが

 

実態は短期間しかやっておらず

この天竜のTSドライシステム共同組合のように

3ヶ月から6ヶ月、しっかりと時間をかけて行っているところは

まず無いといっていいでしょう。

 

 

さて、話しは変わりますが

 

昨日、天竜での伐採ツアーでご一緒した方は

化学物質過敏症で、普通の生活が出来なくなってしまった方ですが

 

ここの天竜の材料でつくった家で

現在はある程度回復されたとおっしゃってました。

 

しかし、事情により引っ越しをしなければならなくなり

化学物質をつかっていない古民家に引っ越したのですが

 

「問題はないけど、活力がなくなった」

 

と漏らしてました。

 

 

化学物質の無い住宅は、健康を害することはありませんが

活力が沸いてくるわけではなく

新月伐採、葉枯らし乾燥材が活力を与えてくれてたのかなと

おっしゃってました。

 

ここまで言うと、なんだか怪しいと思う方もいるかもしれません。

 

しかし、まず見て触って香りをかいで比べてみてください。

 

違いは明らかです。

 

しかし

 

「新月伐採(月齢伐採)・葉枯らし乾燥材」にもデメリットがあります!

 

それは

 

一度見比べてしまうと、他の材料は一切考えられなくなる

 

ということです(笑)

 

 

本日お打合せさせて頂きましたU様ご夫妻

 

コスト調整のお話しで、無垢の床材のお話しを少しさせて頂きましたが

 

「いやいや、あれを見ちゃうと他は考えられない!」

 

とおっしゃって下さいました。

 

正直、嬉しかったです!

 

(リノベーション(フルリフォーム)後の新たな生活が始まると、きっとなにかしら

この木材の恩恵を感じられるはずです。

そんなことを考えても楽しみになってしまいます)

 

 

 

でも気になるのがコストのお話しです

 

当社は直接仕入れさせていただいておりますので意外に安いというのが正直な感想

 

たとえば床材だけで見てみると、インターネットの安売り床材なんかと

あまり大差なく購入できてしまい、かえって驚きです。

 

リビングの床だけ「新月伐採・天然乾燥材」にしたいという方もいらっしゃいます。

 

3月と4月にも、当社の「作品発表会」という名の現場見学会を開催致します。

是非、新月伐採(月齢伐採)・葉枯らし乾燥の無垢の杉を

素足と手と鼻で感じてみてください。

 

 

 

さて、

 

この本が出版されてから、

日本でも賛否両論があったようです。

 

「新月伐採」という言葉だけが走り

「新月」になってから伐採を開始して

通常の時期とかわらないではないか、という意見を言う物などもいたり

 

様々です。

 

しかし厳密にバーコードで一本一本の伐採履歴を

しっかりと管理をしながら「新月伐採」(月齢伐採)を行っているのは

天竜の「新月伐採材」(月齢伐採)だけだと言い切れます。

 

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伐採後、直ちにバーコードが貼られる
GPSからの位置情報、日時
誰がいつどこで伐採したのかが記録される。

 

産地偽装の多い木材業界

大手メーカーがわざわざ天竜に木材を持ち込み

「天竜桧」として再出荷している事実を地元の人は嘆いている
 

 

 

 

次回は伐採ツアーのことに触れてみたいと思います。

 

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