こんにちは。駿河屋の九代目当主一桝です。

ＧＷも終わり、これからじめじめの梅雨がやってきますが、山は今、一番いい季節です。新緑が芽吹き、雪解け水が流れ、植物や動物が目を覚ます。生命の営みに溢れた空気を全身で感じることが出来ます。そんな自然の山で育った木は、楢(なら)や栗の木のように、広葉樹と言われる天然木です。

今日はそんなお話し。

それでは、今月も子育てママにお役にたてる、おうちの中で大切なこと、発信します！

【日本の森で育った広葉樹】

皆さん、針葉樹(しんようじゅ)と広葉樹(こうようじゅ)ってご存じですか？葉っぱをイメージして頂ければわかりやすいですが、針葉樹は杉や桧(ひのき)など、葉っぱが細い木です。反対に広葉樹は栗や楢(なら)や桜など、葉っぱが開いている木です。

針葉樹は比較的やわらかく暖かい、広葉樹は硬いイメージです。使い分けはどのようにするかというと、柔らかい足触り、温かさがお好みの場合には針葉樹系、ペットのワンちゃんがいたり、四つ足の椅子などの生活の場合には、キズがつきにくいように針葉樹より硬い、広葉樹のフローリングを選んだりします。

僕は今まで広葉樹の場合には北海道の旭川のものを提供していました。

これも、機械で乾燥するのではなく、数年かけて自然に乾燥させる“天然乾燥”にこだわってました。やはり市場にほとんどを占める機械乾燥の木よりも、“天然乾燥！の木は断然香りや艶が違います。

ところが、旭川の会社さんが、もう広葉樹の木を伐るのを辞めるというのです。やはり林業は商いにならないと・・・。なんだか寂しいですよね。

良い物を正しい提供して、商いが成り立つ世の中にしたい、特に林業に関わる方を応援しておりますが当社の需要だけでは、どうにもなりません。そこで、広葉樹を天然乾燥しているところを全国歩いて探したのですが、なかなか見つからない・・・。やっと見つけても、納得出来る品質じゃない、品質管理までは見せてくれない等々・・・。

それでも、やっと南会津でしっかりとした品質の木を出して下さるところを見つけました！良いものを正しく創っている生産者の方々は表情がとってもイイ！

光ってるというか、自信に溢れているというか・・。とっても魅力的なんです。

荻窪とか吉祥寺とかの、とある老舗フルーツパーラーが大繁盛していて、ＴＶで取材されたんです。その模様を僕がＴＶで見てました。

レポーターが「美味しいフルーツを見分ける方法はなんですか！？」

とオーナーのおじいちゃんに聞いたんですよ。

「スイカは叩いて、ぽんぽんと美味しいよ、美味しいよ食べとくれ、食べとくれ、という音がするんじゃ」みたいな答えを期待しますよね？・・・ちがうんです・・。

「実際に市場で作っているヤツの顔を見るんだ。美味い物をつくるヤツは顔を見ればわかる」

こだわりの素材を全国歩いて探している僕は「やっぱそうだよな～！」と感動したのを思い出しました。

ちょっと横道にそれましたが、そこで見つけたのが南会津の製材所だったんです。

そこの社長や専務や製材担当の方やみんな素敵な方でした。品質の管理状況も、非常に丁寧に見せて下さいました。

「広葉樹の天然の森なんて伐採してしまっていいの！」

なんて声も聞こえて来そうですが、最盛期の1/100以下の伐採量だそうです。

また、植林した針葉樹のように、バリカンで丸裸の山にするわけではなく、自然林の良い木を見つけて、一本一本切るので、間引きみたいなものなんです。

そうすると、森に新たに光りがあたり、他の木が大きくまた育つんですね、

南会津にまだ雪の残る春。何年も前に山の仲間とブナの新緑が瞬きごとに芽吹いて美しい山をあるき、あまりの美しさにそこに泊まってしまったことがあります。山が一番魅力的な季節、是非でかけてみてください。