こんにちは。駿河屋の九代目当主一桝です。日本人の平均寿命は長いですが、元気でいられる寿命、つまり健康寿命が意外に短い。つまり海外では寝たきり老人と言われる人たちは少ないんですね。

お爺ちゃんお婆ちゃんには、まだまだ元気でいてもらいたいものですが、実は介護が必要になるきっかけって、住まいに隠れているってご存知ですか？

今日はそうした「平均寿命」からは見えない「健康寿命」のお話です。

それでは、今月も子育てママにお役にたてる、おうちの中で大切なこと、発信します！

【平均寿命と健康寿命を住まいで守る】

みなさん、平均寿命はご存知ですよね。

それでは健康寿命はご存知ですか？

読んで字のごとく、介護を必要としない自立して健康な日常生活を送ることができる期間のことです。

これが２０１２年６月に厚生労働省が発表しました。

日本人の健康寿命は２０１０年で男性７０．４２歳、女性７３．６２歳となっています。

平均寿命が男性７９．６４歳、女性８６．３９歳ということを見ると、男性は約９年、女性は約１３年、なんらかのサポートがなければ日常生活に不自由な状態で暮らさなければならないということです。

男性は６５歳で定年したあと、元気で好きな旅行など楽しめるのは、５年しかないということです。

これはちょっとショックではないでしょうか。

ではこの健康寿命をいかに伸ばしたらよいのか。

日常の運動や食生活は当然のことながら、「家」にもできることがあります。

それはなんでしょうか？

一般的には食生活や運動をすることで、この差は縮まると思いますが「家」でもこの差を縮めることができるのです。

２００８年に一年間で交通事故で死亡した人は７４９９人。１９９５年の時点では１万５１４７だったので、関係者の努力とみなさんの注意や自動車の改善などで死亡事故はだいぶ減りました。

それでは一年間で家庭内の不慮の事故で死亡した人はどれくらいいたでしょうか。

厚生労働省が発表した「不慮の事故死亡統計（平成２１年度）」によると、

２００８年に家庭における不慮の事故の死亡者は１万３２４０人もいるのです。

なんと、現代では交通事故より多い。

もっともお金をかけて、安心な場所であるはずの住まいで、事故が起きて死亡している人が多いのは驚きです。

ではどんな事故で亡くなっているのでしょうか

（１）溺死　４０７９人

（２）窒息　３９９５人

（３）転倒・転落　２５６０人

（４）火災　１２３８人

家庭内では火災よりも、普段の生活でありそうなことがきっかけで死亡事故にまで繋がっていることがわかります。

また、ここから推測されるのは、運良く死亡に至らなかったけれど後遺症として残ってしまったケースが考えられます。

発生数の多い溺死、窒息は心臓発作や脳梗塞が原因の多数を占めており、これは家の内部の断熱が不十分で、非常に寒い環境で暮らしているのが原因の一つです。

転倒、転落についてはご存知の通り、段差や階段などによる事故の為、段差を少なくしたり、手すりをつけたりすることで安全にできますが、意外と知られていないのは断熱不足での寒さによる事故なんですね。

こうした介護に繋がる事故のきっかけを、「家」の「性能」や「使いかって」を上げることで、平均寿命と健康寿命の差を少しでも少なくすることが、お爺ちゃんお婆ちゃんが、まだまだ元気でアクティブシニアでいられる為の秘訣なんですね。