先日の山岳会の山行の前

参加メンバーの中のNさん（女性）にだけ

送信されないメールが届いた。

 

例によって「T隊長」からだ。

要件だけのクールなメールの内容は

以下の通りだった。

 

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

 

Tです。実はNさんが6月に結婚したそうです。

 

今度の会山行の夜にでも、

焚火を囲みささやかなお祝いをしようかと思います。

シャンパンとケーキ（スポンジ台+生クリーム+ミカン缶）

を私が購入しておきます。

みなさんは、ザック空スペースと費用のご準備、

ケーキ作成手伝いをお願い致します。
本人には内緒なのでよろしく

 

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むむむ・・・相変わらず気の付く人だ

 

これは一丁、僕もイベントをさらに盛り上げるべく

人肌脱ぎましょうと勝手に心に決めて

休日の都内を奔走した。

 

購入したいものリスト

購入したいものリスト

 

山岳会で沢登りに行くのに

あまり重い荷物は命取りになる。

なので「軽い」もので無ければいけない。

 

ざっと頭に思いついたものを書き留めた。

 

・樹脂容器の子供用シャンパン

・紙製のパーティー三角帽

・ケーキ用花火

・ドラゴン（花火）

・クラッカー

・垂れ幕

・ティアラ（オモチャ）

 

これに手作りケーキを出したら

新婚のNさんは相当喜んでくれるのではないか！？

 

三角帽子をかぶったみんなに囲まれて

ティアラを付けてピースサインをするNさん

両脇ではドラゴンが花火を噴射し

後ろではパーティーフラッグを手に持つ仲間達！

 

想像しただけでなんだか楽しくなってきてしまい

一人でニヤニヤしながら本郷通りを車で走った。

 

ドンキホーテ後楽園店に行ってみた

ドンキホーテ後楽園店に行ってみた

 

 

ドンキホーテ後楽園店に行ってみた。

入口には意味も無く水槽があり、

魚が泳いでいる。

 

売り場を聞いてエスカレーターを降りると

なんだか怪しいピンクカーテンの手前のコーナーに

パーティーグッズコーナーはあった。

 

ピンクカーテンの先は怪しい大人グッズコーナーなので

へんに怪しまれないように勝手にドキドキしながら

パーティーグッズを物色する。

 

僕は結構「ビビリ」なので

あらぬ疑いを勝手に想像して

勝手に「ビビる」ことがある。

 

あるとき、

疲労困憊だったので、

横須賀線のグリーン車に乗った。

 

 

事前にグリーン券をパスモで支払っているにも関わらず

荷物棚下のタッチ部分のLEDが何故か

何度タッチしても赤から緑に変わらない事があった。

 

そんな予期せぬ状態に陥ってしまい

「無賃乗車じゃないのに無賃乗車なワタクシ」

と、勝手にドキドキして他人の視線が気になり

軽くめまいを感じた。

 

せっかくグリーン車に乗っているのに全く落ち着かない。

片手にパスモをチラつかせ

 

「お金払ってマスから！

乗車確認のお姉さんが来たらちゃんと説明シマスから！」

 

的オーラを出し続けつつ

立ったり座ったり、立ったり座ったり落ち着かなかったのだ。

 

なので、

なるべくピンクのカーテンのリーチに入らないように

距離を置きつつパーティーグッズを物色した。

 

おお！ティアラがあるではないか！

念のため「大人グッズ系」ではないことを確認

 

明らかに子供用である。

これはマストはグッズなので

迷わず手に取った。

 

ケーキ用の花火もあり

写真の絵的に絶対ほしい

三角フラッグもあるではないか！

 

「Happy Birthday」の文字は

この際無視しよう。

 

それにしても、絶対にほしい

パーティー用 三角帽子がない・・・。

 

店員に聞くも

「あれはですね～ クリスマスシーズンだけなんですよ～」

とツレナイ返事。

 

仕方なく、次なる候補地へ向かった。

 

ドンキホーテ亀戸店に行ってみた

ドンキホーテ亀戸店に行ってみた

 

パーティー用三角帽子は絶対ほしい！

ティアラを付けたNさんだけでは

イマイチ、絵的に面白くない！

 

絶対に「パーティー用三角帽子」はマストだ！

と決意に充ちた顔つきで

ドンキホーテ亀戸店に到着した。

 

 

ふう。

ここにはあるだろうか～

 

早速、パーティーグッズ売り場を聞いて向かうも

またしても、「怪しげ大人グッズコーナー」の隣だった。

 

「怪しい大人グッズ」はパーティーの時に

勢いで使ってしまう物なのだろうか？？？

 

さて

 

普通にパーティーグッズ陳列棚を凝視し

目指す商品を探しながら視線をうつしていくと、

勝手にそっちに向いてしまうので困る。

 

 

店員に聞くも

「あれはですね～ クリスマスシーズンだけなんですよ～」

と一字一句全く同じ回答。

念のため同じ店員さんではないかと顔を確認するも別人。

 

えーーーーーっ もうどうしよう

絶対に必要なのに！

 

そうだ！あそこに行こう！

 

オリンピック墨田文化店に行ってみた

オリンピック墨田文化店に行ってみた

 

 

到着。

雨が降ってきた・・・。

ここにあるだろうか・・・。

 

オモチャ売り場を探すも無し。

 

がっくりと肩を落とし

首を90°曲げてうなだれながら

「もう自分で作るしかないもん・・・」

と、なかばヤケクソで独り言をつぶやき

下りエスカレーターにまさに乗ろうとしたその時！

 

ありました～！

なんとハロウィンコーナーに～！

 

 

感動のあまり半ば半泣きで跪き

僅かな在庫を買い占めた。

嬉しい！

 

あとは子供シャンパンだ

あとは子供シャンパンだ

 

あのー クリスマスに子供が飲む

シャンパンジュースってありますか？

 

と聞くと

 

「子供ビールならあるよ」

 

という店員さんの回答。

 

 

このビールかぁ～ 微妙だなぁ

全然お祝いっぽくない・・・。

 

やっぱシャンパンだよね。

ということで

シャルドネの小さいのを購入

 

 

やはり、滝壺へ落下したりして

瓶を割ってしまうのがコワイ・・・。

 

昔、めんつゆを担いだ友人が

滝で落ちてめんつゆ臭くなった。

 

少々小さめだが、価格は立派なのでヨシとする。

 

役者は揃った

役者は揃った

 

半日ちかく奔走して手に入れた

パーティーグッズの数々

 

 

ティアラだけでは微妙だな・・・。

ということで

キラキラレイは衝動買いしてしまった。

 

Nさんは喜んでくれるだろうか。

山行が楽しみである。

 

あっというまの山行当日

あっというまの山行当日

 

 

季節外れの長雨が止んだ週末

月が綺麗な夜。

 

前日に土合駅に到着し

駅舎で宴会をする。

 

 

お酒のせいか、Nさんが

「実は私、結婚したんですよ～」

と自分から言い出した！

 

ななな！なんて事を！知らないふりしてるのに！

 

僕らは

 

「全然しらなかったんですけど！」

 

というフリをするのが難しく

へぇ～ とか ほおおお などと

イマイチ、告白した本人には

非常に物足りないリアクションで申し訳ない。

 

全ては明日の一瞬の為なのだ！

とばかりに、顔を引きつらせ微妙な笑顔を繕う。

 

そしてミッション当日

そしてミッション当日

 

駐車場に車を移動し、入渓地点で準備をして出発。

 

T隊長 このザックの中にスポンジケーキや

ホイップクリーム、みかんの缶詰が入っているとは。

 

Yさんも滝の中を通って登攀する。

この中にシャンパンが入っているなんて。

 

いくたの竜が住む大滝や大岩魚の主のいる大淵を越えて

本日、幕場となるところに到着。

 

どのタイミングでやるのだ！？

と皆でごそごそとバレないように相談し

夕食後にやろうということになった。

 

今日は寒そうなのでツエルトを張る。

実は、ケーキをデコレーションする為の隠れ蓑である。

T隊長がお尻を隠さず

ツエルトの中でデコレーションケーキを作る。

 

 

今回の食担はNさん。

メニューは鶏肉のなんちゃら丼でやたら美味しい！

 

 

皆が「美味い！」を連呼して渓に木霊させる夕食も

無事に終了し、いよいよミッション遂行である。

 

そして・・・いよいよ

そして・・・いよいよ

 

漆黒の闇と焚き火のコントラストの中

T隊長が完成されたケーキを運んできた

 

 

「イチマスさん！うた歌ってくださいよ！結婚式の歌！」

 

なにを突然言うのだ！と動揺しながら

 

「え！？え！？結婚式！？なんの歌！？」

 

と、狼狽しながらT隊長に聞くと

 

「乾杯（by長渕）でしょぉぉお！」

 

と自信たっぷり、

それはあり得ない！！と思うのだが

それ以上も以下のナシ！

確信に満ちた声で言うのだ。

 

しかたない！歌おう！

 

「かた～いきずなにぃ～♪　おーもいぉ～よ～せてぇ～♪」

 

歌いながら「絶対ちがうなこの歌！」と感じつつ歌い続ける・・・。

 

 

というこで、オヤジ二人の怪しいコーラスの中

ケーキ用花火がパチパチと

美しくはじけるケーキが運ばれ

 

クラッカーがパンパン鳴り響き

ドラゴンがシャーシャー火花を上げる中

 

ティアラをしたNさんは涙目で喜んでくれました。

 

 

おめでとう！お幸せに～！

そういえば、キラキラレイは出すのを忘れてしまいました・・・。

 

おわりに

おわりに

 

物語の背景は、じつはもっと複雑で

Nさんの結婚を仲間は本当に喜んでました。

 

Nさんの結婚は、

山岳会故に、緊急連絡先を報告する義務があり

結婚によって、登録の連絡先を変える申請を

Nさんがしたことで、窓口のT隊長が気付いたのがきっかけでした。

 

それにしても、T隊長の気遣いには

本当にいつも勉強させられていますが

 

人の幸せを一緒に祝うということは

自分自身も幸せを感じることなんだと

今回は改めて感じました。

 

幸せのお裾分けをもらうことが出来た

そんな素敵な山での夜でした。

 

追伸

 

 

翌日の下山時も、Nさんはずっとティアラをしてくれていましたが

朝日岳山頂ですれ違った他の登山者は

一瞬チラ見をしただけで

面倒くさそうに去って行きました・・・。

 

 

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＜編集後記＞

昨日の午後は東京体育館でスイムの特訓でした。

 

 

ドーバー海峡を日本人で初めて泳いだ大貫コーチ

直々の特訓は、海人くらぶ会員ならではの特権です。

 

メニューをこなすだけでなく

個人レッスンも受けることができたのですが

的確はポイントはとても解りやすく

 

山本五十六のような指導

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。

 

人への指導の上手さ

一流の人の指導とはこうなんだなぁ

と妙に感心しながら充実した練習が出来ました。

 

1時間半で2000mも泳いでましたが

全く疲労が残りませんでした。

 

20日のトライアスロンが楽しみです。

来週月曜は最後の指導です！

 

 

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