日光白根山へシーズンはじめの
雪山訓練に行ってきました。
日光湯本温泉スキー場から入り
一泊二日のテント泊です。
エルニーニョ現象の影響で
まだまだ各地で雪不足ですが
冬の片鱗を楽しんできました。
目次
今回の目的
年末に北アルプスに入る予定をしており
体力的に重い荷物を最近は担ぎ慣れていないので
体力づくりが一番の目的でした。
その為、テント泊の装備をもって
さらには荷物もちょっと重めで
久しぶりに70Lー80Lのザックを担いで
行くことにしました。
日光白根山の登山は2コース
日光白根山に登るには
メジャールートとして2コースあります。
今回僕が歩いた
東面「日光湯本スキー場」からのコースと
西面「丸沼高原スキー場」からのコースです。
どちらもスキー場が営業開始していれば
リフトを使って高度を稼ぐことが出来
標高が高いリフトがある
丸沼高原側から登るほうが楽です。
また、雪の状況やラッセル(先行者の足跡)
の状況にもよりますが
冬でも日帰り十分に可能な山です。
日光の思い出は多い
僕の父(八代目)は
もともと山岳カメラマンになりたかったのですが
代々続く材木業を事業承継をしました。
よほど山が好きだった父の趣味は山とスキーで
僕も3歳からスキーをやらされました。
父は栃木県スキー連盟に所属している指導員だったので、
よくボーイスカウトのスキー合宿に僕も紛れこまされて、
心細い思いをしたことを日光を訪れるたびに思い出します。
また、
父とも戦場ヶ原などのスノーハイクなどにも出かけ
二人で吹雪きの中、
カップラーメンをつくったのも良い思い出です。
寒さが厳しく、食べると麺は冷たいのですが、
スープを口に入れるとヤケドしたりして
自然環境の厳しさなんかも
なんとなく知り始めたのは父のおかげだと思います。
当時、光徳牧場でのクロスカントリースキーの大会も
毎年行われており
そのころ所属していた東武スキークラブの
スキーの指導員の先生方に混じって
僕もスキー教室の指導員のまねごとをしたり
翌日の大会のオフィシャルをしたりと
今では参加人口が減って
開催されなくなったこの大会にも
沢山の思い出が残っています。
そんな沢山の思い出のある日光は
僕の雪遊びの原点だと言える場所なので
今回の一人雪山合宿は
なんとなく、自分と親父との対話に似た
静かな山行を密かな楽しみにしていました。
低い雲が立ちこめる曇天
前日の忘年会のアルコールが
丁度良く抜けたころ
布団から抜け出し東北道を飛ばしました。
懐かしい日光湯本スキー場までの道を
感慨深く通りながらスキー場の駐車場に到着
ゲレンデにはほとんど雪が無く
鹿の糞に足の踏み場も無い状態に唖然としながらも
支度を調え登山を開始しました。
当然、スキー場は営業していませんが
雪が無いので、25日の営業に
間に合うのか心配になるほどです。
登山口を探しさまよう
のっけから登山口探しで
スキー場をさまよいました。
本当は五色沢の真横を通る
登山道を進むようなのですが
まっすぐ行けば登山道に出るだろう
程度の軽い気持ちでスキー場を
まっすぐ進んだせいで登山道がわからず、
最初から大荷物で汗だくになり
やっと登山道に飛び出ました。
気温は2℃くらいでしょうか
なんとも温かく、雨が降りそうです。
外山までの急登
外山までの急登の登山道は
半分崩壊気味のガレと雪で歩きづらく
一歩では上がれない高さもあり
大荷物でへろへろになりながらも
10:13に外山に到着
ここから尾根歩きなので
一気に楽になります。
前白根まで
今日は日曜の遅い時間のスタートなので
土曜と今日のトレースがあり
ラッセルの必要もなく順調に進みます。
今日は時間がたっぷりあるし
尻をたたく親分もイマセンのでゆっくりと進みます。
徐々に荷物に慣れてきた感じです。
雪の量は膝下くらいというところでしょうか。
前白根の手前でアイゼンを装着。
前白根山には11:30に到着しました。
視界が悪いので、要所要所でコンパスを振り
確認を行います。
凍った五色沼
前白根を乗越すと
凍える五色沼が見えました。
うーむ あそこまで下るのは
ちょっとモチベーションが足りない・・・。
なんとも寒々しい・・・。
登るのもラッセル必須
やめとこ・・。
早く、ホットワインが飲みたいので
今晩のテント場をめがけて急ぐことにします。
このまま稜線伝いに進み
途中から右へ下りながら
避難小屋を目指しました。
避難小屋到着
ここで重大な問題に気づきます。
トレースのおかげで予定の13時よりも
1時間早く到着してしまいました。
これでは今晩の酒が夕方に無くなってしまう・・。
うーむ 昼寝してごまかすか・・・。
本でも読むか・・・。
避難小屋付近の樹林帯に
テントを張ることを決めて整地し
早々に中に潜り込みました。
トラブル発生
なんと、ライターが壊れました!
がーん!冬山でライター破損はかなり焦ります。
着火しようとして「ガリ」っと石を擦ったら
びよーん!と石が飛び出てスプリングと
旅だってしまいました。
幸い?石はありましたがスプリングはありません。
探しても見つからなかったので
他のライターをザックから取り出し一安心。
ライターの予備と暴風マッチは必携です。
だらだらと時間をつぶす至福の時
一人テント泊の良いところは
全部自分のペースで決められること
携帯の着信もありませんし
印鑑を求めるスタッフもおりません。
外はミゾレなのか、テントに当たる音が
雪よりも固い音色になりました。
あとは好きな本を読みながら
ホットウイスキーをチビリチビリと頂き
適当な時間を自由に過ごします。
時折無線で呼びかけましたが
谷間なので当然こちらの発信は届かず
たまに固定局の強い電波が入ってきました。
あとはAMラジオに切り替えて
里の空気を遠くに感じながら
読書と酒で眠りにつきました。
朝もゆっくり
天候は昼頃から一旦回復するようなので
少し遅めの朝にし、
5時起床で7時出発です。
それでも昼に下山なので
晴れ間は望めないかもしれません。
今日の朝飯はこんなレトルトを買ってみました。
なんと480円!!
普段カップラーメンを食べないので
よくわからないのですが、
高いからなのか、技術の進歩なのか
もちもち感もありそれなりに美味しかったです。
荷物を担ぐか置いていくか
通常は、テントをそのままにして
中に荷物を残し
必要な道具だけ担いでピークを目指しますが
今回の目的は雪山での体力をつける訓練です。
今日の行程は避難小屋までの往復で3時間。
悩むこともなくテントを撤収して
同じようにザックにパッキングし山頂を目指します。
奥白根山を目指す
食料と酒が無くなり軽くなり
テントが濡れて重くなり
どっちもどっちですが身体が徐々に
順応してきて軽快に登ります。
世界は一面真っ白ではなくて
初冬の雰囲気です。
西風の強いところなので
雪があまり付いていないのと
そもそも降っていない感じ。
なんだか大根の桂剥きの千切りっぽくて
ポン酢をかけて食べたくなります。
8:25 ピーク横の祠に到着しましたが
ピークがどこか分かりません。
ガスっててよく分からず地形図を確認します。
地形図をよくよくよーく見ると
一旦降りて上がることがわかり
祠のあるピークを北側に下ると
あったあった!指標がありました。
ガスも晴れてきて見えました。
8:30 登頂
なんとなく晴れ間を期待して
すこし山頂で晴天待ちをします。
太陽が出たり隠れたり
そう思うと、一瞬だけ青空になりましたが
周りの山を拝むことはできませんでした。
避難小屋を後に下山開始
9:30ごろ避難小屋に到着し
中でコーヒーを沸かしてゆっくり頂きました。
ぼーっと、コーヒーを飲み
ベッドの布団を眺めていると
丹沢ユーシンでのAさんダニ事件を思い出し
ちょっと後ずさり・・・。
帰りは野ウサギの足跡や
シカの足跡や、
これは猛禽類?なんだろう???
5㎝くらいの鳥の足跡を
こんな雪の標高で見るのは初めてでした。
外山からの下りごろから
天気は雨になりはじめて
雪が中途半端な下山道に四苦八苦し
「カツカレー」を呪文のように唱え
静かな雨の中、ゲレンデに降り立ちました。
帰りは我慢できずにカツカレーではない
生姜焼き丼を頂いて今回の山行は終了。
着替えを忘れてTシャツで来店した僕に
「鍛えてんのかい?」と質問するおばちゃん
曖昧に「まー」と言うとお茶のおかわりをくれました。
年末の北アルプス前に
もう一度負荷をかけるために
雪山テント泊にでかけてきます。
少しは強くなったかなぁ~・・・。
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<編集後記>
年末の山行に向けてトレーニングを続けていますが
アルピニストの山野井康泰史氏の「垂直の記憶」
かなにかで、平常時心拍数が45?とか言っていたことを思い出し
最近、自分の平常時心拍数を測っていますが
今朝の心拍数は寝起きで52くらいでした。
普通は60~70くらいで
50を下回るとスポーツ心臓と一般的には呼ばれています。
もともと持久系スポーツが大の苦手の僕としては
結構頑張っているんですがね~・・・・。
山の仲間でも「強い」と言われている仲間には
まだまだかなわず、本気だされると置いていかれ気味です・・・。
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