先日、宿泊体感型モデルルーム「空まめの木」で
「姫子松蒸留会」が開催されました。
講師はアロマなどの造詣の深い
鷺島広子さん。
笑顔の素敵な女性です。
健康食品の「リブレライフ」の鈴木さんのご紹介で
お知り合いにならせて頂きました。
初めておめにかかったときに
蒸留会のお話しを頂き、
丁度、去年丸太で買ったヒメコマツが
天然乾燥の時期を終えて
S様邸に使用して端材も出たことだし
なにより「姫子松」は
ネロリドールの成分が含まれていて
女性ホルモンのバランスを整える効果も
期待できると言われており
なにより香りがとってもイイ!
松のフレッシュな感じと
姫子松特有の甘い香り~♪
なので
香りといえば「姫子松」がいいですかね~
と提案したらとても喜んで頂き、
第1回目は姫子松に決定し
今回、開催となりました。
姫子松蒸留会開催
今回の参加者は、女性10名に男性僕ひとり・・。
勝手にドキドキしながら
姫子松のお話しなんかもさせてもらいました。
蒸留する機械は
アランビックと言われるポルトガル製の
ハンドメイドの蒸留器。
これはスワンネックとも言われる
もともとお酒を蒸留する為のものだったようです。
もう一つは日本の蒸留器である「蘭引(ランビキ)」
江戸時代は「はまなす」などの香り成分を
取るために蘭引(ランビキ)を使っていたそうです。
今回は、この二つで蒸留して
香りの違いを感じてみようというもの。
姫子松はカンナくずとオガクズと
二つの状態で用意させて頂きました。
量はそれぞれ、水の量に合わせてオガクズの量を
二つとも同じバランスで入れました。
蒸留器のしくみは
中でぐつぐつ水と材料を煮るのですが
出て来る蒸気には当然におい成分が含まれています。
その蒸気を冷やすことで
におい成分を水として抽出するしくみです。
材料が大量にあれば、
アロマテラピーで言う「エッセンシャルオイル」が
採れるのですが、今日は採れるほど
蒸留は出来ないとのこと。
一般的に言われる
ラベンダー水やローズ水、ハーブウォーターなどと
言われているものと同じようなもの。
つまり、水蒸気蒸留法で
姫子松ウォーターを採取するということです。
陶器と銅では熱伝導率も違いますし
冷やす工程もアランビックはらせんの管と
なっており、姫子松ウォーターに
どのように違いが出るか楽しみです。
早速蒸留を開始しました。
10分程度でじわじわ出て来るようです。
その間に僕の思い出話しから
「姫子松」の話しをさせて頂きました。
子供の頃の僕は
小学校に入学して新しい友達が出来ると
友達の家に遊びに行くようになりますよね。
そんなとき、僕のオヤジは
「コレもっていけ」といって
ヒノキのまな板を持たせてくれました。
これを「お近づきのしるし」に
友人のお母さんにプレゼントするんです。
そうすると、とても評判がイイ
「あら~!イチマス君!」
なんて、オヤジの作戦通り
よく可愛がってもらえたもんです。
オガクズといえば
朝、お店を掃除するときは
オガクズを蒔いて、水をまいて
掃き掃除をしたのを思い出します。
ホコリがよく取れますし、香りも良かった。
林場(材木をたてかけてある倉庫)には
松、杉、ヒノキの香りが沢山満ちていて
そうした香りをかぐと、
当時の倉庫の香りや冷やっとする空気まで
瞬時に思い出します。
香りと記憶は
密接な繋がりがあると言われますよね。
姫子松の話し
以前のブログで、とても詳しく書きましたが
興味ある方は読んでみて下さい。
姫子松はもともと希少なものです。
なぜ希少かといいますと
植林の出来ない木なので
山を買って、木を見て
姫子松が自生していれば使えるという
天然の木なんですね。
ヒノキや杉は植林で増やせますが
姫子松は人工的に増やすことが出来ません。
自然の森の尾根の上にひっそりと
あでやかに立っている木
まさに姫のようなので姫子松と名付けられました。
この姫子松は南会津のものです。
南会津の帝釈という山の1700m付近の姫子松は
昔はプレミアが付くほどだったといいます。
なぜ僕が広葉樹は南会津にこだわるかというと
なにより山が美しい
針葉樹の緑が混じらずに
紅葉の時期は本当に燃えるようです。
また、僕はずっと山をやっていて
当時の仲間とも、この美しい南会津に
小屋を建てたいと言っていたほど
惚れ込んだ地域だからです。
それほど素敵な山域の木を
皆さんに是非大切に使って頂きたいと思いました。
姫子松は五葉松とほぼ同じと
言われています。
五葉松は盆栽で有名ですが
五葉⇒御用がふえる⇒仕事が増える
ということで縁起が良いと言われます。
また「門かぶりの松」として
古い住宅の門の横には松がありますが
これは縁起をかついでのことでした。
また姫子松の特性として
硬すぎず、柔らかすぎず
松特有のヤニも少なく
反ったり割れたりすることも
比較的少ない木です。
そうしたことから
木型として使われることも
多かったということと
昔の彫刻などは
結構、姫子松が多かったと言われています。
木を利用するには
反ったり割れたりすることが嫌われます。
なので、しっかりと乾燥させなければ
建材としての役割を果たさないのですが
関東大震災以降、
ロシアの乾燥技術が入って来て
戦後の復興需要もあり、
木材は機械で乾燥させるのが
当たり前の世の中になりました。
しかし、木の本来持っている
油分や香りなどのフィトンチッドと呼ばれる
森林浴効果のあるものなどは
機械で強制的に乾燥したものでは
成分が当然少なくなっていて
昔ながらの自然に乾燥させた木材の方が
そうした成分がしっかり残っているのです。
今回の姫子松は、自然乾燥の木なので
そうした意味でも希少なんですね。
姫子松ウォーター
さて、アランビックとランビキの
蒸留水が出てきました。
ちょっと白濁している方が
アランビックで蒸留したもの。
少し油っぽい精油が浮いています。
香りの違いはすごく顕著でした。
アランビックのほうは、強い香り。
ランビキの方は、優しい香りでした。
精油は銅製のほうが多く採れるそうです。
熱伝導率の違いかもしれないと
鷺島さんはおっしゃってました。
PHの値はどちらもほぼ同じ。
香りと記憶
先ほど僕も話ししましたが
香りと記憶との関係について
鷺島さんからお話しを伺いました。
これはプルースト効果と言われていて、
名前の由来は
「失われた時を求めて」という作品の
フランス人作家「マルセル・プルースト」に
ちなんで付けられた名前だそうです。
この作品は、香りを頼りに
失われた記憶を取り戻すという作品だそうです。
記憶はなぜ香りと結びつくかというと
脳の中でにおいを伝達する入口が
大脳辺緑系の第一次嗅覚野という部位。
これは記憶を司る海馬に繋がる
内嗅皮質という部位と隣り合った場所にあるので
嗅覚への刺激は記憶や感情を
強く呼び起こす作用があると
考えられているそうです。
最後に
姫子松蒸留ウォーター
木材は特に香り成分のある
建築素材なので
こうした有効成分を考えながら
ご自宅の住まいづくりに活用すると
とても面白いですよね。
今回は姫子松を蒸留しましたが
次回11月は静岡県天竜区の
新月伐採・葉がらし天然乾燥の
杉やヒノキを蒸留する予定です。
鷺島さん、楽しい素敵な企画を
ありがとう御座いました!
今から楽しみですね~。
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<編集後記>
先日は韓国の放送局が当社の取材に来ました。
写真はディレクター兼インタビュアーの李さん。
以前、僕らの自然派体験クラブ「つちからの会」の活動を取材しにいらした方です。
韓国でも住宅での健康被害は社会問題化しており
僕たちの住まいづくりはとても興味があるようでした。
この件はまたブログで報告させて頂きます!
駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
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