雪山を登る上で雪崩に関する知識は
身を守るために必要ですが
あまりに奥が深すぎて専門的知識は
どこからとりついて良いか分からないことが多いものです。
まずはとっかかりが必要であり
おおよその全体感を掴む上で
短時間の机上講習が一番適しています。
僕も雪山は10年以上ブランクがあるので
当時の雪崩の知識や情報と現代の情報では
全く違っていることもあると思うので
ここは1から勉強しなおそうと思い
講習会を調べました。
すると手頃な講習会がICIの会員であれば
無料で受講できることをしって
ICI原宿店へ雪崩講習会を受講しに行ってきました。
1時間の短い机上講習でしたが
新しい気づきや知識も沢山ありましたので
僕の覚え書きも含め書かせて頂きます。
目次
雪崩の発生と特徴
雪崩には大きくわけて2つあります。
1つは表層雪崩
もう1つは全層雪崩 です。
雪山の雪は、一度に3mも積もったりして
春を迎えるわけではありません。
当然ながらシーズン中に何度も降雪があり
その繰り返しが「層」を形成しているのが雪山です。
その降雪は温度がマイナス5度の時もあるし
マイナス20度の時もあります。
当然マイナス5度はマイナス20度よりも
温かい雪なのです。
雪の温度も違うし、雪の結晶も違います。
なので同じ雪ですが、全く違う特性を持っています。
表層雪崩はこうした違う質の雪の差の部分が
剥がれて表面だけ滑り落ちる雪崩ですが
その層の部分とはどういう状態でしょうか。
温度差が引き起こすシモザラメ
低温で晴天が続く内陸の山では
積雪表面が低温で霜などに変化します。
また、降雪と降雪の温度差が5度でも
その境目が霜になります。
それをシモザラメと呼び、とても弱い層になります。
シモザラメ層は寒ければ寒いほど厚く発達し
これが表層雪崩の引き金となります。
なので、温度変化の激しい年などは
雪崩の発生が多いそうです。
雪崩の危険が高い状況
シモザラメの影響によって雪崩が発生するのは
主に降雪中や降雪直後だということです。
雪崩に巻き込まれるほとんどはこのタイミング。
降雪直後の放射冷却なども雪崩の危険が高く
北面と南面でも全く安定度が異なるので
注意が必要です。
このシモザラメは霜が出来た状況の層ですが
表面に霜が出来る条件と層に霜が出来る条件があり
今回は詳しい話しは聞けませんでしたが
そうした条件を知ることが雪崩を避ける一歩かもしれません。
また、しんしんと風も無く降り積もる雪も
雪崩の危険が高いそうです。
理由は雪の結晶は雪印マークを想像してもらえば解る通り
薄い形がひらひらと落ちてきます。
それが、全て水平に薄い層となって積もるようです。
縦横絡み合って積もる雪と違い、非常に弱いそうです。
バックカントリースキーは僕も少しやっていましたが
新雪の上に自分のシュプールを描くのは
とても気持ちよいものです。
仲間と出かけたとき、何人も滑っているから
雪崩はもう大丈夫と考えるのは間違いだそうです。
滑る場所はシモザラメの層との厚さの違いによっても
雪崩れたりすることがあるので
つねに危険と隣り合わせだという意識を
持っていなければならないと言われました。
雪崩れの発生しやすい角度
雪崩れは斜面が急になればなるほど
発生しやすいわけではありません。
なぜなら斜面が急であれば
雪崩が起きる前に落ちてしまうからです。
一番発生しやすい角度は30度から45度と
言われていますので、斜面の角度を
つねに意識することが必要です。
逆に発生しづらい角度もあります。
おおむね18度。
これは手の先をまっすぐ上げていって
目の高さになった角度がそうです。
そうした簡単にできる判断基準があると良いですね。
地形の罠
雪崩が置きやすい地形というのがあります。
画像のように肩になっているところは
積雪が切れて落ちやすくなります。
また、谷すじなども雪崩が集中する場所です。
小さな雪崩でも、力やスピードは想像以上です。
畳一枚分の大きさで深さ1mで
重さは500~600kgもあるそうです。
雪崩を予測する
雪崩を予測することはとても難しいですが
サインを知っておくことは重要です。
温度差のある降雪は無かったか
周囲の地形で雪崩の形跡は無いか(同じような面、日当たり、方角)
歩いているときにワッフ音が無いか
意識を周囲へ向けることも大事。
ワッフ音:『雪の上での歩行時に積雪内部から聞こえる音で、人間の体重で破壊する弱い層の存在を表している』
雪崩の予測はマクロからミクロへ
意識をすると教えてもらいました。
つまり、
気象や気温⇒地形や痕跡⇒雪の質や音⇒ハンドテスト
などです。
雪崩が予想されたら
迂回することが基本原則です。
迂回の際にも下部を通る場合には
18度以下のラインかつ
雪崩のデブリが到達しない距離を
確保しなければなりません。
避けることが原則ですが
迂回しつつもチェックする項目があります。
ウエストベルトやチェストベルトは
外さないほうが浮いていられるという意見もあるので
なんとも言えない部分もあるようです。
スキーは紐式の流れ止めやストックの手革は
雪崩に流されている最中に、アンカー的に働くと
引き込まれてしまうことが多いそうです。
通過は一人ずつ通過して
万が一雪崩にやられたら
流されている人が消えた部分を確認していると
迅速な対応が取れるということです。
自分が雪崩に遭遇したら
とにかく浮けば助かる可能性が飛躍的に上がります。
スキーの場合は雪崩面を滑って降りて
助かることも多いと聞きます。
自分が雪崩と消えた地点がわかれば
そこから下を捜索すれば済むので
早期発見の可能性が高まります。
雪崩の雪は空気を沢山含んでいますが
埋没すると人間の呼気の熱気で凍結し
空気が届かなくなって窒息死するそうです。
なので、呼吸を確保すれば
1時間たっても救助されて生きていた
ということもあるそうです。
その他
雪崩の捜索道具は携行するだけでは
全く意味がありません。
使いこなす訓練が必要ですし
埋没者を掘り出す方法やコツも決められています。
また、低体温症の場合の処置や知識
一般的応急手当がわからなければ
救出後に命を助けることが出来ません。
今日の「わかった!」
雪崩の机上講習をちょっとだけ受講しましたが
忘れていたことや、知らなかったことも沢山ありました。
昔購入した本や最新の書籍なども取り寄せ
しっかり勉強しなければと実感しました。
きっかけを頂いたICIスポーツの登山学校さん
無料ですがなかなか内容は濃いです。
次回はモンベルの実施訓練などを水上で受講してきます。
ICIスポーツ登山学校 配布資料より
参考図書
「山岳ユーザーのための 雪崩リスク軽減の手引き」
「山岳雪崩大全」
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<編集後記>
雪崩の勉強を久しぶりにしたら、新しい気づきや
すっかり忘れていることも沢山でてきました。
今度は谷川岳の実施講習に行ってきます。
実際に雪に埋まる埋没経験もするんですよ~
アレ、結構怖いです・・・。
駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
幸せの住まい作り最初の一歩を間違えない為の
★産直の厳選素材住宅 自然素材住宅・珪藻土・無垢の木なら創業1657年 駿河屋
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