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珪藻土で後悔しない為に「本物」と「偽物」と「裏側」を知って正しく選ぶ。

RELEASE:2015.09.09     UPDATE:2016/12/07
CATEGORY:ブログ, 社長ブログ, 自然素材
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自然素材の建材と言えば、

無垢のフローリングに続いて

気になるのが「珪藻土」ではないでしょうか。

 

しかし、

珪藻土という名前だけで、

かなり色々なものが沢山あります。

 

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自然素材100%と言っても、カビが生えやすかったり

樹脂や化学性のものが混入されていたり。

 

また、珪藻土の産地は様々あるだけに

それぞれ調湿性能が優れていたり劣っていたり。

 

今日は本物の珪藻土はどういったものか

実際の産地を巡って、採掘状況も足で見、

 

国立大学の地質学の友人から

珪藻土の論文を調べてもらい読み込んできた

私が、メーカーや現地で伺った話しを含めながら

お話しさせて頂きます。

 

そもそも珪藻土とは

そもそも珪藻土とは

 

珪藻土とは、

そもそも植物性プランクトンである

藻の 死骸が大量に泥などとともに溜まって

固結した泥岩 のことです。

 

どれくらい前のものであるかというと

50万年前とも言われています。

 

この珪藻土は大きく2つに分けられます。

 

「珪藻質泥岩」(マクロポア)

ひとつは、「珪藻質泥岩」と呼ばれ上記の通り、

死骸が泥などと堆積して固結したものです。

 

穴の大きさからマクロポアと言われています。

 

「頁岩」(メソポア)

もう一つは、「頁岩」(けつがん)と呼ばれ、

珪藻の死骸が泥などと堆積し、

 

長い時間をかけて固まる過程で

クリストバライトやトリディマイトや石英に

変化したものです。

 

穴の大きさからメソポアと呼ばれています。

しかしなんと!

これは「珪藻土」とは言わず

「頁岩」(けつがん)と呼ぶのが正式な言い方です。

 

ややこしい珪藻土

ややこしい珪藻土

 

ややこしいですね。

珪藻土なのに珪藻土じゃないなんて。

 

では、なぜ「頁岩」も「珪藻土」と呼ばれるようになったのか。

 

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正面に地層として見える「頁岩」(稚内)

 

この誤解は、北海道立工業試験場が

平成3年に出願した特許 において

「頁岩」を「珪藻土」として表現したことが

始まりと 言われております。

 

「珪藻質泥岩」と「頁岩」の性能比較

「珪藻質泥岩」と「頁岩」の性能比較

 

両者の性能を比較すると

水の吸着量比では2.5倍

吸湿率では7倍

穴の量とも言える面積は3倍以上

「頁岩」(けつがん)(メソポア)の方が優れているのです。

 

簡単に言うと、ひとくちに「珪藻土」といっても

大きく分けて2つにわかれ、

その中でも「頁岩」(けつがん)

を原料にしたもののほうが、

メソポアと呼ばれる穴の大きさが、

調湿機能が高い。

 

メソポアを原料にしている塗り壁材を

使用しないと、 せっかくお金を払っても、

期待しただけの性能を

体感できないということなんですね。

 

こうした説明をちゃんとしてくれるところじゃないと

結局、仕入れが安く利幅が大きいとか

割れたりしてクレームにならないような

樹脂などの不要な素材を混ぜた

「珪藻土」を提案されてしまうこともあるかもしれません。

 

二種類の「珪藻土」を整理すると

二種類の「珪藻土」を整理すると

 

珪藻土とは「珪藻質泥岩」と「頁岩」のこと。

「珪藻質泥岩」はマクロポア

(穴の大きさが50ナノメートル以上)であり

 

「頁岩」メソポア

(穴の大きさが50ナノメートル未満)である。

 

吸放出機能が高いので住宅の素材としては

「頁岩」(メソポア)珪藻土を使ったものを

選ぶのが望ましい。

 

ということです。

 

以降は、紛らわしいので

「頁岩」をメソポア珪藻土

「珪藻質泥岩」をマクロポア珪藻土

と呼ぶことにします。

 

メソポア珪藻土とマクロポア珪藻土

メソポア珪藻土とマクロポア珪藻土

 

珪藻土は大きく分けて

マクロポア珪藻土とメソポア珪藻土の

2種類あることが解りました。

 

珪藻土と言うと、内装材のイメージが強いですが、

実は採掘される珪藻土の役8割が工業製品の

ろ過材や土壌改良材に使用されています。

 

珪藻土は湿度を吸放出する機能で有名ですが

珪藻土の穴の大きさが50ナノメーター以上のもの

をマクロポア珪藻土と言います。

 

マクロポアの特性はろ過材にとても優れていますが

調湿機能、つまり湿度を調整する性能は

ゼロではないが、あまり高くないのです。

 

なのでほとんどの用途はろ過材や

土壌改良材や七輪に使われているのが

一般的な珪藻土の使い道なのです。

 

では残りの2割はどのように使われており

内装材に適した吸放出機能の高い珪藻土は

どういったものなのでしょうか?

 

珪藻土の歴史と産地

珪藻土の歴史と産地

 

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(頁岩)メソポア珪藻土の採掘場

 

珪藻土の調湿機能が注目され、

住宅で使用し始められたのは

実は、ほんの20年ほど前からなのです。

 

しかも内装材として使われているのは

日本だけのようですね。

 

珪藻土の採掘場所は、

北海道 秋田 大分 石川 岡山などありますが

住環境において大切な「調湿」機能が高いものである

「頁岩」(けつがん)

 

すなわち、

穴の大きさが2~50ナノメートルのものであり

このメルマガでは「メソポア珪藻土」と呼んでるものです。

 

この「メソポア珪藻土」が採れるのが北海道ですが、

北海道の稚内で主に採掘されています。

 

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稚内空港

 

メソポア珪藻土の純度が高いのが

北海道の稚内産なんだと

覚えておくとよいと思います。

 

その他の産地のものは、

珪藻土の穴の大きい「珪藻質泥岩」です。

 

ここでは「マクロポア珪藻土」と呼んでいるものです。

 

この「マクロポア珪藻土」ですが、

ビールや醤油など「濾過」して

不純物を取り除く際に利用されております。

 

この「濾過」に使う珪藻土の市場は

とても膨大なので、「珪藻土」という名前で

非常に安く流通しております。

 

この安い「珪藻土」を使った商品が、

建材メーカーなどでも非常に多いのです。

 

つまり

「メソポア」や「頁岩」と

あえて言っていない珪藻土系建材は

このマクロポア「珪藻質泥岩」である可能性が

果てしなく高い

ことが予想されますね。

 

理由はマクロポア「珪藻質泥岩」の方が

圧倒的に安いからです。

 

実際に市場に出回っている珪藻土の

8割はメソポア珪藻土(頁岩)では

ないと思います。

 

私が知っている限りでは、

5社程度しか、メソポア珪藻土を

使っておりませんので、

工務店や建設会社などに提案されたら

どこで採掘された珪藻土なのか

しっかりと聞くことをお勧めします。

 

 

珪藻土の色

珪藻土の色

 

珪藻土って、珪藻質泥岩でも頁岩でも、

実際にご覧になったことのあるかたは

色の違いをご存じですか?

 

「白い」もの

これは熱を加えて焼成しているものです。

 

黄色やちょっと赤みがかったもの

これは焼成していない珪藻土です。

 

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(メソポア珪藻土(頁岩)の固まり)

 

仕上がった珪藻土の塗り壁は

なぜ色々な色があるのか。

(ポップな色は問題外の商品ですが・・)

 

これは、焼成しているか、もしくは

消石灰か白セメントで白くしているものです。

 

消石灰は、簡単にいうと漆喰の成分です。

漆喰自体の吸放出機能は

珪藻土ほど高くありませんが

セメントよりは調湿します。

 

漆喰の壁は、漆喰自体が調湿機能が高いわけではなく

昔の住宅の土壁部分も含めて機能して調湿していたので

漆喰自体が調湿機能が高いように思われますが

 

実際には漆喰自体の調湿機能は

それほど高くありません。

 

しかし、

セメントよりは調湿機能が高いです。

 

でも、セメントを使用しているメーカーがほとんど

ではないでしょうか。

なぜなら、珪藻土単体では固まることが出来ないので

セメントを使って固めてしまうのです。

 

白い珪藻土用塗り壁材がある理由

白い珪藻土用塗り壁材がある理由

 

世の中には様々な珪藻土を使った

建材、壁塗り材があります。

 

珪藻土が表面に塗ってあるクロス

なんていうのまであります。

 

メソポア珪藻土は色が茶系色なので

建材における含有率が高ければ高いほど

珪藻土本来の色である茶系色に近くなります。

 

しかし白くても珪藻土と言っている商品があります。

これは白セメントか消石灰を入れているか

もしくは他の成分を混ぜていることが考えられます。

 

珪藻土は素材自体で

固まる性質をもっていないので

白セメントを入れている商品も多いです。

 

白く固めるために白セメントを入れるのです。

 

また

消石灰を入れる場合もあります。

消石灰はいわゆる「漆喰」の原料ですので

珪藻土には劣りますが、

セメントよりは調湿をする特性があります。

 

ここでお伝えしたいのは、

消石灰もセメントも悪ではなく、

 

調湿効果を期待する塗り壁材である

「珪藻土」の性能をより高める為には

こうしたものが入ると、

調湿性能が低くなるということです。

 

調湿性能を優先したい方は、

こういう事を、しっかりと

知っておくと良いと思います。

 

固める為の「でんぷん糊」

固める為の「でんぷん糊」

 

調湿性能を優先する上で、

知っておいたほうが良い事

もう1つお伝えします。

 

珪藻土の純度が高いメーカーは

澱粉糊と粘土凝結で固めています。

 

ですので、ぬらせばすぐに粘土状になります。

 

ここで注意しなければならないのは

 

「珪藻土を壁に塗れば、

湿度を調整してくれるので結露はしない」

 

という「誤解」です。

 

結露のメカニズムは、

ここではご説明しきれないので省きますが、

 

空気に含むことが出来る水分というのは、

温度によってそれぞれ限界があります。

 

それを越えたとき結露が起こるのですが

調湿効果の高い珪藻土を壁に塗っても、

結露する「限界」はあるのです。

 

 

珪藻土の調湿機能は万能ではない

珪藻土の調湿機能は万能ではない

 

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珪藻土の調湿効果を過信するあまり、

冬場にインフルエンザを心配して

湿度を上げすぎると、

珪藻土の壁でも結露します。

 

しかも、

珪藻土の純度が高い、セメントや消石灰や

樹脂なども混入してない商品ですと

何で固めてあると思いますか?

 

答えは澱粉糊です。

 

澱粉糊はあるいみ食品ですので

結露が発生してから

カビが発生するまでは時間がかかりません。

 

 

自分に合った珪藻土とは

自分に合った珪藻土とは

 

結局、どんな珪藻土がいいんだろう

そう考えているあなた。

 

住まいの素材に「珪藻土」を選ぶこと自体

調湿効果を一番にお考えだと思いますので

調湿効果を期待する方への

アドバイスをするとすれば

 

ズバリ、

北海道の稚内産のメソポア珪藻土の

純度が高いものを選ぶこと

をお勧めします。

 

さらに言うならば、珪藻土を固める為に

セメントや石灰を使っていないものです。

 

まとめ

まとめ

 

珪藻土の調湿機能に頼り切ることは

住まい方としては、

ちょっと行き過ぎかもしれませんね。

 

また、

珪藻土の含有率が限りなく高い物を!

ということでもありません。

 

ご自身の住まい方に適した

配合をされている珪藻土を選ぶことが大切です。

 

素敵な住まいを彩る、

壁の色だって大切にしたいです。

 

珪藻土本来の色合いは、

ナチュラルすぎてちょっと・・・。

 

という方もおりますよね。

それはそれで良いと思うのです。

 

やはり気に入った住まいに「色」は重要です。

住まい方に適した素材を選ぶことが大切だと思います。

 

大切なのは、創り手都合の素材を

選んでしまわないこと。

 

つまり、固まりやすい、ひび割れしない

施工しやすい、原材料が安い

等々の理由から、

期待した性能を発揮しない素材は沢山あります。

 

正しく知って、自分には何が良いのか

ちゃんと考えて選ぶことが大切です。

 

 

参考資料

北海道立地質研究所報告 No.74 p.83-95

クリックしてgshr74_083_095.pdfにアクセス

湿度調整材料としての頁岩・珪藻質泥岩の特徴について

-いわゆる"稚内珪藻土"の地質鉱物学的特徴-

八幡正弘

 

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<編集後記>

 

今日は海を泳ぐオープンウォータースイムの練習です。

 

なんとドーバー海峡を日本人として始めて泳いだ

大貫映子さんがコーチで

練習メニューを組んでくれるそうです!

 

東京体育館でみっちりシゴかれてきます!

 

 

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