皆さんこんにちは。

駿河屋の九代目　一桝です。

シックハウス症候群が社会問題となったのは１９９０年代ですが、２００３年に建築基準法が法改正されました。

これで建築資材は全て安心できるようになったかと言うと、実はそうではありませんでした。

住まいは生涯の滞在時間が一番長い場所ですから、建材から揮発される化学物質の影響は気になるところです。

ここでシックハウスについて改めて話しを整理しましょう。

シックハウス症候群は建物の材料に含まれていた化学物質が、そこで呼吸する人間の体に悪影響を与えることで起こります。

ここで言う化学物質とは、主に木材の殺虫や防腐、防かびを目的としたものや、木材同士の接着を目的としたもの、そして石油を原材料として作られた内装材などです。

例えば海外から輸入される木材は、長い運送時間にカビや虫がつくことを避けるために薬を使います。

内装仕上に使われる、ビニールクロスやクッションフロアと呼ばれるような石油建材でも、接着剤に防かび剤が含まれていたり、ビニール自体に可塑剤が含まれていたり。

さらには、合板などで作られたキッチンや下駄箱など、内部からも化学物質が揮発されます。

以前は畳の下にも防虫シートが貼ってあったり、家の土台に塗る、シロアリを防ぐ薬など、様々な健康被害の要因がありました。

こうした健康被害が社会現象にまでなったので、２００３年にようやく法改正があり、一部の薬品が使用禁止にはなりましたが、その代わりに別の薬品を使って建材が製造されるようになりました。

このような化学物質が完成した室内で揮発されて、住んでいる人の体に影響を及ぼすのが、シックハウスです。

対象となった薬品は法改正後には使用禁止になったり、量を減らしたりするようになったのですが

逆に規制対象外の薬品の使用料が増えたのです。

また、自然界に存在する木材にも「化学物質」は存在します。

ヒノキの良い香りのもとであるヒノキチオールも「化学物質」の一種です。

シックハウス症候群の方は、家づくりにおいて「木」を使うことが出来ない方もいるのです。

このように、人工的なものだけでなく、自然界にあるものからも揮発されますし、

その影響は個人差があるので、全てを否定することは必要ないと思っています。

一般建材でも全く問題ない方は、極力、ナチュラルな素材を使いながら、水回りなどはお手入れが簡単なビニール建材で仕上げるのも良いと思いますし

体調に不安のある方は、なるべくこだわりながら、特に滞在時間の長い寝室などは、徹底的に安心、安全な空間に仕上げるなど

健康に及ぼす影響の優先順位を私からのアドバイスにしたがって、素材の選定を適材適所にしていくことで良いのです。

また、合板や集成材などは、無垢材として使いづらいものを、加工して使えるようにしたものです。

こうしたものを使える方は、体に影響がない範囲で使って行くことも、限りある資源を大切にするという意味において必要なことだと思います。

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＜編集後記＞

GWの前半は会津の山に数日入るので、先日は久しぶりに足ならしで木曽駒ヶ岳に登ってきました。

隣には岩稜帯の宝剣岳があり、雪と岩の登りは久しぶりにワクワクしました。

木曽駒ヶ岳は駒ヶ岳ロープウェイで一気に２０００ｍくらいまで上がれ、千畳敷カールと呼ばれる開かれた傾斜地を登って稜線に出ます。

青空と残雪の白い雪面のコントラストがとても美しくて、春山は僕の好きな山の1つです。

GW前後は毎年、会津駒ヶ岳にテントを担いで登っているので、今年はGWに行こうと計画しています。

ビールや白ワインを担いで、雪で冷やすと最高です笑