みなさんおはようございます。
今日は、林業の現状を踏まえて、好循環させるための
住宅の資産価値評価についてお話ししようと思います。
木材の自給率は低迷しているのは皆さんご存じの通りです。
これは
戦後の復興需要に日本の林業の供給が間に合わず
やむを得ずに政府が輸入自由化に段階的に踏み切り
結果として、外来材のコストのほうが安かった為に
価格がどんどん下落したのが原因です。
またさらに拍車をかけたのが1985年の「プラザ合意」でした。
「1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進国は、協調的なドル安を図ることで合意した。とりわけ、アメリカの対日貿易赤字が顕著であったため、 実質的に円高ドル安に誘導する内容であった。これが『プラザ合意』である。(プラザ合意 抜粋 ウィキペディア)
グラフでみると一旦、国産材の自給率は持ち直しておりますが
これは当時の急激な円安ドル高の影響であったと思われます。
それに対処する為に、プラザ合意にて、円高ドル安に誘導していきました。
これが原因で、昭和60年から国産材の自給率が一気に下がっていったのがわかります。
さてさて
これにともなって価格はどう推移していったのでしょう。
資料;日本不動産研究所「山林素地及び山元立木価格調」
このグラフのヒノキをみてみると、1980年付近で一時¥42,947、まで
価格がが上昇しましたが、そこからは一度もちなおすものの
現在では、当時の1/6以下にまで下落し
スギに関しては、当時の1/8以下となっています。
現在では、仕事をすればするほど赤字になる
不採算事業となってしまいました。
以前の高値は当時でも本当に異常な程だったようで
吉野の林業家がタクシーで大阪まで呑みに行くような!
そんなばかげた話しも聞きました。
どうしたら国産の木材に価値がでて、住宅を通じてよい循環に繋がるのでしょうか。
それには住宅の資産価値が適正に評価されるようにならなければなりません。
現在の建物の評価額は20年でゼロになると言われていますが
これを欧米のように、しっかりとした住まいは資産の上がる仕組みにしなければなりません。
1.住宅の資産価値が適正に評価されるようになる
↓
2.質の良い木の家が建つ
↓
3.質の良い木が売れるようになる
↓
4.質の良い木を挽く製材工場が儲かる
↓
5.質の良い丸太が良い値で取引される
↓
6.林業の採算性が改善される
↓
7.林業の経営意欲が高まり山づくりに力が入れられる
↓
8.良質の木材の供給力が高まる
↓
2にもどって好循環につながる
木材業界単体の問題ではなく、そもそも家という立派な資産を
資産として見なさない仕組みに問題があると考えます。