駿河屋の一桝です。

今日は、｢天然素材｣や｢自然素材｣と言われる建材についてお話したいと思います。

世の中には多様な住宅建材が沢山あふれています。

この住宅建材の中には、一般的なものである「一般建材」と、

俗にいう「自然素材」｢天然素材｣と言われているものがあります。

一般建材とはなにかというと、

読んで字のごとく、広く一般的に用いられる住宅建材で

いうなれば、高度経済成長時代に石油製品をつかって

簡単に製造でき、簡単に施工でき、早く住まいが完成する建材です。

では、「自然素材」｢天然素材｣と言われているものはなんでしょうか。

一般建材から発生する人工的に作られた揮発成分を吸入することによって

人体への影響が出ることを無くすために、「自然由来のものでできている」

ものを指しています。

しかしこれが誤解を生んでいます。

「自然素材」といえば、無垢の木や珪藻土や漆喰、蜜蠟などをイメージしますが

そもそもは自然由来のものだったものに、様々なものが添加されたり

しているものがとても多いのです。

その理由としては

施工性を上げる（手間を省き、労務費を節約するため）

ひび割れがしないようにする（クレームが発生してほしくない）

というものが大半だと思います。

それは｢造り手側の都合｣だと思います。

｢住まい手｣は本当にそうしたものを望んでいるのか疑問を感じます。

畳がいい例だと思います。

畳は時代とともにどんどん変化してきました。

青々としたイ草の畳表がいい！と消費者がいったので、薬品で染められるようになりました。

重い畳は運ぶのが大変！ということから、発泡性の心材を入れた畳に変化していきました。

あげればきりがないのですが、そうして素材は変化していきましたが

｢住まい手｣はきっとそこまで望んでいなかったと思います。

ですので、｢自然素材｣｢天然素材｣だから「美味しい空気」の家になるかというと

必ずしもそうだとは言えないものもあるのです。

木材であれば、輸入されたものは必ず燻蒸されていますし

防虫処理されたものもあります。

また、そうしたものと一緒に保管されているものもあります。

残念ながらそうしたものと一緒に保管されていたものは

当然、そうした成分が移る可能性が高いのです。

また、珪藻土や漆喰は、施工性をよくするために

樹脂など自然由来のものではないものを添加しているものが

とても多いですし、

そもそも珪藻土という名ばかりで、浄水器に適している材料を使っているものもあります。

本来は室内環境を良くする湿度を調整する機能の高い珪藻土を使うことが望ましいのですが、

市場に対して圧倒的に多く安い珪藻土を使用していることも一部ですがあるのです。

こうした現状を踏まえますと

いくら自然素材といっても、そうした素材でつくられた家は

「美味しい空気」になることは、ないかもしれません。

ですので、山や製材工程や保管状況、産地、採掘場所の確認、

なにより創り手である生産者さんに実際に会って想いを聞くこと

そうしたことがとても大切だと思います。

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