住宅の進化にともない
家の気密性も上がってきました。
これはエネルギーを効率よく生かす上で
とても大切なことです。
昔の住宅はもともと家の隙間によって
換気が自然にされていました。
私の子供のころの家もすきま風があり
自然と換気がされていたように思います。
シックハウス症候群は
新建材などからの化学物質が
室内に充満した環境で生活することで
発症する症状ですが
多くの隙間や常に窓が開いていて換気されていれば
そうした疾患が起こることはないでしょう。
つまり、隙間の無い家(高気密住宅)ほど
シックハウス症候群になりやすいということは事実です。
ではなぜ気密化が進められているのでしょうか。
今日は住環境の空気と換気の必要性の話しをします。
隙間のある昔の住宅
隙間風のある昔の住宅であれば
シックハウス症候群になりにくいと書きましたが
隙間をあてにする換気は一定量を保てません。
風速や隙間の大きさ、量によって
様々に変化するためです。
隙間がいくらあっても、おおかまに言うと
風や温度差がないと効率良く換気は出来ないのです。
現代住宅は高気密化へ
隙間のある昔の住宅に比べて
現代住宅は高気密化へ向かっています。
それは、省エネ、エコロジーの観点から
エネルギーを無駄に浪費しない為です。
つまり高気密住宅は隙間による
エネルギーロスがないので
小さなエネルギーで快適な環境を
作ることができるからです。
換気をしない問題点
でも、住環境は換気をしないと
様々な問題が生じます。
住宅をつくる新建材による
シックハウス症候群はもちろん、
人間そのものから生じる
二酸化炭素もそうですし
暖房や喫煙などによっても空気は汚れます。
計画的に換気をする
住宅の隙間がなくなり
換気がよくできなくなってきた事と
建材の影響でシックハウス症候群が
社会問題となった1990年代ですが
かといって、隙間を増やす住宅でよいかというと
先の通り、一定の隙間を計画することは
難しいことです。
なので、計画的に換気をしましょう
ということが、2003年に建築基準法が
法改正されたのです。
計画的に換気をするということは
意図した換気扇の能力で排出し
意図した部分から外気を入れ
効率良く換気を行うということです。
シックハウス症候群を防ぐ為には
身体に安全な素材を採用し
換気計画通りに換気を行うことが
住環境として良い空間と言えます。
良い建材なら換気は不要か
住環境は様々な物質で汚染されます。
それは新建材による化学物質だけではなく
人間そのものも汚染物質だとお話ししました。
なので、自然素材を得意とする工務店が
当社の建材は安全だから換気不要です
ということは間違っています。
なぜなら、気密性が高い空間で
人間が居住することで環境自体も悪化するからです。
つまり、正しい建材選びと正しい換気が
良い住環境には必須だということです。
正しい換気量
一般的に必要換気量というものが
決められています。
ホルムアルデヒドを発散する建材を
使用しない場合でも、家具からの発散があるため、
原則として全ての建築物に
機械換気設備の設置が義務付けられます。
住宅の居室には、換気回数0.5回/h以上の
機械換気設備(いわゆる24時間換気システム等)
の設置が必要とされています。
しかし、この0.5回/h以上とは
どういった根拠があるのでしょうか。
実は
1人当たり必要な新鮮の空気量=約30m3/時 を基準に
4人家族が30坪程度の住宅に住むことを仮定して
4人分の換気量=30m3/h人×4人=120m3/h
30坪程度の住宅の空間体積を240m3程度とすると
換気回数=必要新鮮空気量/住宅の空間体積
=120(m3/h)/240(m3)
=0.5回/時
という計算式で決まっているのです。
つまり
住宅の広さとそこに住まう人数の密度で
換気の量は変わってくるので
一概に0.5回/h以上という数値は
そのまま適用するのは少し違うかもしれません。
今日の「わかった!」
住宅の進歩によって隙間がなくなり
新建材の影響でシックハウス症候群が
社会問題となった1990年代ですが、
住宅の高性能化によって
ますます気密化が進んでいます。
気密化は省エネやエコロジーの観点から
エネルギーを大切に使う
とても重要ことの一つです。
住宅内部の環境は
自然素材を使えば安心というわけではなく
様々な汚染物質(人間も含む)によって
空気は悪化していために
正しい換気も素材選びとともに、
とても大切なことです。
正しい換気とは、家の大きさと
住む人の人数で変化するので
正しく計算をして導くことで
無駄のない安心できる換気計画となります。
住環境には素材の選定だけでなく
正しい換気計画が重要と言えます。
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<編集後記>
駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
幸せの住まい作り最初の一歩を間違えない為の
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