自然素材の建材と言えば、無垢のフローリングに続いて
気になるのが「珪藻土」ではないでしょうか。
しかし、珪藻土という名前だけで、かなり怪しげなものが沢山あります。
今回は、本物の珪藻土はどういったものかお話しさせて頂きます。
目次
珪藻土には2種類ある
みなさん、珪藻土は大きく分けて2種類あるのをご存じでしょうか。
マクロポア珪藻土とメソポア珪藻土です。
珪藻土と言うと、内装材のイメージが強いですが、
実は採掘される珪藻土の役8割が工業製品の
ろ過材や土壌改良材に使用されています。
珪藻土は湿度を吸放出する機能で有名ですが
珪藻土の穴の大きさが50ナノメーター以上のもの
をマクロポア珪藻土と言います。
マクロポアの特性はろ過材にとても優れていますが
調湿機能、つまり湿度を調整する性能はゼロではないが、
あまり高くないのです。
なのでほとんどの用途はろ過材や土壌改良材や
七輪に使われているのが一般的な珪藻土の使い道なのです。
では残りの2割はどのように使われており
内装材に適した吸放出機能の高い珪藻土は
どういったものなのでしょうか?
内装材に適した吸放出機能の高い珪藻土は市場の2割
珪藻土とは、そもそも植物性プランクトンである藻の死骸が
大量に泥などとともに溜まって固結した泥岩のことです。
どれくらい前のものであるかというと
50万年前とも言われています。
この珪藻土は大きく2つに分けられます。
ひとつは、「珪藻質泥岩」と呼ばれ上記の通り、
死骸が泥などと堆積して固結したものです。
穴の大きさからマクロポアと言われています。
もう一つは、「頁岩」(けつがん)と呼ばれ、
珪藻の死骸が泥などと堆積し、
長い時間をかけて固まる過程で
クリストバライトやトリディマイトや石英に
変化したものです。
穴の大きさからメソポアと呼ばれています。
しかしこれは「珪藻土」とは言わず
「頁岩」(けつがん)と言うのが正式な言い方です。
ややこしいですね
珪藻土なのに珪藻土じゃないなんて。
では、なぜ「頁岩」も「珪藻土」と呼ばれるようになったのか。
この誤解は、北海道立工業試験場が平成3年に出願した特許
において「頁岩」を「珪藻土」として表現したことが始まりと
言われております。
ちなみに両者の性能を比較すると
水の吸着量比では2.5倍
吸湿率では7倍
穴の量とも言える面積は3倍以上
「頁岩」(メソポア)の方が優れているのです。
簡単に言うと、ひとくちに「珪藻土」といっても
大きく分けて2つにわかれ、その中でも「頁岩」(けつがん)
を原料にしたもののほうが、メソポアと呼ばれる穴の
大きさが、調湿機能が高いので、こうした素材を原料に
している塗り壁材を使用しないと、
せっかくお金を払っても、期待しただけの
性能を体感できないということなんですね。
ここでは「頁岩」をメソポア珪藻土と呼ぶことにします。
メソポア珪藻土とマクロポア珪藻土
珪藻土の調湿機能が注目され、住宅で使用し始められたのは
実は、ほんの20年ほど前からなのです。
しかも内装材として使われているのは日本だけのようですね。
珪藻土の採掘場所は、
北海道 秋田 大分 石川 岡山などありますが
住環境において大切な「調湿」機能が高いのが、
「頁岩」(けつがん)
すなわち、穴の大きさが2~50ナノメートルのものであり
このメルマガでは「メソポア珪藻土」と呼んでるものです。
この「メソポア珪藻土」が採れるのが北海道ですが、
北海道でとれる全てがメソポア珪藻土ではありません。
メソポア珪藻土の純度が高いのが北海道産なんだと
覚えておくとよいと思います。
さて
その他の産地のものは、珪藻土の穴の大きい「珪藻質泥岩」です。
ここでは「マクロポア珪藻土」と呼んでいるものです。
この「マクロポア珪藻土」ですが、ビールや醤油など「濾過」して
不純物を取り除く際に利用されております。
この「濾過」に使う珪藻土の市場はとても膨大なので、
「珪藻土」という名前で非常に安く流通しております。
この安い「珪藻土」を使った商品が、建材メーカーなどでも
非常に多いのです。
つまり「メソポア」や「頁岩」とあえて言っていない珪藻土系建材は
このマクロポア「珪藻質泥岩」である可能性が
果てしなく高いことが予想されますね。
理由はマクロポア「珪藻質泥岩」の方が圧倒的に安いからです。
実際に市場に出回っている珪藻土は8割はメソポア珪藻土(頁岩)では
ないと思います。
私が知っている限りでは、5社程度しか、メソポア珪藻土を
使っておりませんので、工務店や建設会社などに提案されたら
どこで採掘された珪藻土なのかしっかりと聞くことをお勧めします。
珪藻土は茶色なのに白い珪藻土があるのはなぜ
一般的に珪藻土と呼ばれている、珪藻質泥岩でも頁岩でも、
実際にご覧になったことのあるかたはご存じだと思いますが
白いもの
これは熱を加えて焼成しているものです。
黄色やちょっと赤みがかったもの
これは焼成していな珪藻土です。
では、なぜ白い塗り壁の珪藻土があるのか
これは、焼成しているか、もしくは
消石灰か白セメントで白くしているものです。
消石灰は、簡単にいうと漆喰の成分です。
漆喰自体に吸放出機能は珪藻土ほど高くありませんが
セメントよりは調湿します。
漆喰は、珪藻土自体が調湿機能が高いわけではなく
昔の住宅の土壁部分も含めて調湿していたので
漆喰自体が調湿機能が高いように思われますが
実際には漆喰自体の調湿機能はそれほど高くありません。
しかし、セメントよりは調湿機能が高いです。
でも、セメントを使用しているメーカーがほとんど
ではないでしょうか。
なぜなら、漆喰自体で固めることが出来ないので
セメントで固めてしまうのです。
ここでお伝えしたいのは、消石灰もセメントも悪ではなく
塗り壁材である「珪藻土」の性能をより高める為には
こうしたものが入ると、調湿性能が低くなるということです。
調湿性能を優先する上で、知っておいたほうが良い事
珪藻土の純度が高いメーカーは澱粉糊と粘土凝結で固めています。
ですので、濡らせばすぐに粘土状になります。
ここで注意しなければならないのは
「珪藻土を壁に塗れば、湿度を調整してくれるので結露はしない」
という「誤解」です。
結露のメカニズムをご説明すると、ここではご説明しきれないので
省きますが、空気に含むことが出来る水分というのは、
温度によってそれぞれ限界があります。
それを越えたとき結露が起こるのですが
調湿効果の高い珪藻土を壁に塗っても、
結露をしてしまう「限界」はあるのです。
これを誤解して、冬場にインフルエンザを心配して湿度を
上げすぎると、珪藻土の壁でも結露するのです。
しかも、
珪藻土の純度が高い、セメントや消石灰や
樹脂なども混入してない商品ですと
何で固めてあると思いますか?
答えは澱粉糊です。
澱粉糊はあるいみ食品ですので
結露が発生してからカビが発生するまでは時間がかかりません。
まとめ
今回はかなり詳しく珪藻土についてお話ししました。
珪藻土の最大のメリットはやはり調湿機能です。
気密性が高くなった現代住宅において
室内の湿度が安定するということは
住まいごこちや健康の観点からもとても理想の建材です。
しかし
珪藻土の調湿機能に頼り切ることは
住まい方としては、行き過ぎかもしれませんね。
ですので、なんでもかんでも純度の高い物を
ということではなく、ご自身の住まい方に適した
配合をされている珪藻土を選ぶことが大切です。
素敵な住まいを彩る、壁の色だって大切にしたいです。
珪藻土本来の色合いは、ナチュラルすぎてちょっと・・・。
という方もおりますよね。
それはそれで良いと思うのです。
やはり気に入った住まいに「色」は重要です。
住まい方に適した素材を選ぶことが大切だと思います。
何事もバランスですよね。
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