自然素材、天然素材と言われる住宅は
住宅をつくる素材に自然界にあるものだけで
作っているのでしょうか。
自然界にあるものだけで
住宅をつくることは可能なのでしょうか。
今日は「自然素材」「天然素材」などと
呼ばれる物についてお話しします。
「自然素材」とはそもそも何か?
自然素材というと一般的には
自然界に存在する素材、
化学性の物質の入っていない素材を言いますが
現代において本当にそんな素材が有るのでしょうか。
1つの例です。
あるメーカーの珪藻土(けいそうど)は
珪藻土と自然界にある土などをまぜているので
自然素材100%とうたっています。
稚内珪藻土の採掘場
しかし、すべて自然素材なので
結露などの問題があるとカビが生えやすかったりします。
逆に、そうした素材を使っているので
補修時には水を少し含ませて一旦半練り状にして
補修ができるという利点があります。
あるメーカーの珪藻土は、施工性を良くする、
カビをはやさない、などの理由で樹脂などを混入しています。
樹脂は当然化学物質を含んでいるので
厳密に言えば「自然素材」「天然素材」とは言えないでしょう。
また、あるメーカーの珪藻土は
マグネシウムやニガリなどで固め、
ゼオライトで消臭効果を高めているものもあります。
これらは自然界に存在するものなので
「自然素材」「天然素材」と言っても良いかもしれません。
木にも天然と人工がある
自然素材の代表である無垢のフローリングはどうでしょうか。
「無垢の木は自然の無垢の木でしょ?」
という声が聞こえてきそうですが
たしかに無垢の木は自然の木です。
しかし、木を伐ったあとの行程で大きな差が出ます。
伐採したばかりの木は水分を沢山含んでいます。
この水分を少なくしないと乾燥過程で
反ったり、割れたりしてしまいます。
しかし、自然に乾燥するのを待っていると、
時間もかかりますし、場所も取られコストもかかります。
なにより、お金に換えるまで時間をかけるので
企業の運転資金が必要になるのです。
そこで現代の一般的な木材は「人工乾燥」「機械乾燥」
をして、早く建材として出荷できるようにするのです。
機械を使って強制的に短期間で水分を抜くことで
建材として使用しても、反ったり割れたりが少なくなるのです。
しかし、強制的に短期間で乾燥させることで
木の本来持っている油までが抜けてしまい
手触りや香りが全く変わってしまいます。
これを「木のミイラをつくっているようなものだ」
と呼ぶ人もいるほどです。
はたして、これは「自然素材」「天然素材」
と呼べるのでしょうか。
天然で乾燥させた木
機械乾燥、人工乾燥とは対照的に
自然に乾燥させた木材も
市場ではごくわずかですがあります。
これは昔からの方法で、木材の水分が一番少ない時期
つまり寒い季節に伐採し、枝葉がついた状態で数ヶ月
山に放置します。
これを「葉がらし」と呼びます。
葉がらしを行うことで、水分やデンプン質を少なくして
虫やカビが発生するのを抑える効果があります。
同時に重さも軽くなります。
葉がらしの後、山~卸、製材して数年かけて
じっくりと自然に乾燥させるのです。
この場合は木の本来持っている香りや艶が残ります。
しかし手間ひまや保管場所などコストがかかるだけに
実践している製材所はとても少ないのです。
特に気をつけなければならないのは
「葉がらし」「天然乾燥」をやってますよと言っても
実際には期間を短くしているところが多いのです。
あやしい木材
無垢の木といっても、山地の国籍しかわからず
どういう環境で育った木かどういう製材過程で
どういった環境の倉庫に保管され
皆さんの自宅まで届くのかも不明な材料が多いのです。
中には防虫剤や漂白剤、カビ止め剤などを使ったもの
またそういう木材とともに保管されていたものなどもあります。
産地偽装ではないけれど
私が木材の産地を確認しようとしても
本当の産地までたどり着くことが難しい木材があります。
流通市場では、たどっていけば必ず生産者に
会えるはずだと信じていた時はショックでした。
ある銘木(品質の良い木材)の産地を訪れた時
そこに製材所をつくり、他の産地からの木材を運び
製材することで、銘木産の木として家づくりをしている
住宅メーカーがいたことに、驚きました。
加工が終わると、本来の産地名ではなく
この製材所のある○○ブランドの木になるのです。
これは法律違反ではありませんが
倫理道徳的には疑問が残ります。
今日の「わかった!」
自然素材、天然素材といっても
混ざっているもので、疑問が残る素材もあります。
しかし、自然素材100%ですが
デメリットが大きい素材もあります。
木材などは自然素材だといっても
本来望むべき姿ではなく
人工的な加工がされているものが
市場の多くを占めています。
本当に昔ながらの木材は
市場のなかでは非常に少ないと言ってよいでしょう。
これは比べれば一目瞭然です。
こうした素材のメリットやデメリットを正しく知って
ご自身にあった住まい作りの素材を決めるには
それなりに詳しい専門家の話を聞きながら
実際の素材を手に取ってみることをお勧めします。
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駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
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★産直の厳選素材住宅 自然素材住宅・珪藻土・無垢の木なら創業1657年 駿河屋
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