皆さんこんにちは。

駿河屋の　一桝です。

先日、飛び込みでご相談にいらしたお客さまがおられました。

「墨田区の古い町並みを少しでも残すことができたらと思い、

古い戸建てを買って、見た目はそのまま、耐震と断熱をして住みやすい家にしたい」

というご要望でした。

墨田区は下町情緒がまだ残る町並みがありますが、スカイツリーが出来たことで、軒並みマンションになっていき

僕もなんとも寂しい気持ちになっていたので、とても共感できました。

このメルマガを読んで下さる皆さんの中にも

「戸建てをリノベーションしたい！」

という方もおれらるので、

今日は、アドバイスした内容をここでお伝えしたいと思います。

ちなみに「古い戸建て」とはどれぐらい昔のものか？

と定義するとすれば

「現代住宅」とはどれくらい最近のものか？を定義すればわかりやすいです。

ざっくり言いますと、２０００年以降に建てられた建物は、おおむね「現代住宅」であると言えます。

理由は、大きな建築基準法の改正がその当時にあったからです。

主に新耐震基準が強化されたことと、省エネ基準が強化されました。

それに伴い耐震性と断熱性能があがり、ペア硝子の採用が一般的になった時期なのです。

なので、

２０００年以降を現代住宅と考えて良いでしょう。

では、それ以前の住宅をリノベーションして、現代住宅に近づけるには、どれくらい費用がかかるのでしょうか。

相談者さんは墨田区の戸建てお考えだったので、一般的に３０坪に満たない２階建てとすると

概ね、新築工事をした場合より、基礎工事、地盤補強工事分である５００万くらいが安くなるイメージです。

つまり古い戸建て住宅を現代の性能に近づけるには、２０００万円以上の金額がかかるのです。

相談者さんの予算は１０００万だったため、僕は別の方法をアドバイスさせて頂きました。

このメルマガでも何度もお伝えしている通り、築２０年以上の木造戸建ては、ほぼ原価償却済みのため、不動産的価値はゼロです。

つまり、築２０年以上の建物を購入すれば、実質的に土地代だけで建物が手に入ります。

なので、

「２０００年から２００４年付近の中古住宅を購入して、古い住宅風にリノベするのはいかがですか？」

とお話ししました。

相談者さんは「なるほど！」と納得して、お帰りになられました。

古い住宅をただ綺麗にして住めるようにするのは簡単ですが、

耐震や断熱、気密性能まで現代住宅に近づけるということは、とてもお金のかかることなのです。

でも、

１）その家にとても愛着がある

２）建て替えると狭くなってしまう

３）文化的価値がある

この３つに該当する方は、リノベーションを検討しても良いと思います。

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＜編集後記＞

先日、リノベーションを終わったお客さまの奥様から、お礼のメールが届きました。

そこに

「ニュースレターに社長の沢登りの話しが出ていて、４０年前に夫婦で沢登りをしていたことを懐かしく思いだしました。

また沢登りの話しを楽しみにしています。」

と書かれていました。

僕の会社では、毎月ニュースレターをお送りしているのですが、そこに「社長のひとりごと」というコーナーで少しコラムを書いているんです。

僕が沢登りをはじめたのが３０年前。

当時は本当に日本の沢は美しかったのですが、イワナの数がとても減っていると言われていました。

４０年前はさらに美しく、イワナが沢山いたんだろうなぁと、とても羨ましく思いました。

今の日本の渓谷は、度重なる自然災害によって

美しい渓は倒木や土砂で埋まってしまったところがとても多いです。

その為、昔の山岳ガイド本の内容とずいぶん違っているところもあります。

泳げないと進めない淵も、歩いて進めたりします。

美しい原頭部（沢のおわりの部分）も、倒木や土砂で進めなくなっているところもありました。

この異常な暑さも「あたりまえ」になってきていますし、

北海道には「梅雨」が無いはずだったのに、つゆっぽい雨が続いています。

１０年後も「昔は良かった」と言っているとすれば、人間って本当に愚かだなと思いますよね・・・。