皆さんこんにちは。
駿河屋の九代目 一桝です。
伐ったばかりの木は、植物ですので水分を沢山含んでいます。
その水分を含んだ状態で、様々な用途に使用するために製材をしても、乾燥する過程で割れたり曲がったりしてしまうのです。
その為、木材はきちんと乾燥させてから使うというのが基本です。
しかし、この乾燥。
経済を優先した現代の乾燥方法では、本来の木材の持ち味を十分に生かせなくなっている事をご存知でしょうか。
現代の一般的な木材(建材など)は、木を切ったらすぐに山から下ろし、製材したのちに乾燥釜と呼ばれる乾燥室にて、熱を加えて強制的に乾燥させます。
乾燥することで、後に反ったり割れたりという、木材のもつマイナスの特性が出づらい素材に加工するのです。
現代の一般的な木材の乾燥方法は、こうしたメリットがある反面、実はデメリットもあるのです。
デメリットとは、急激に乾燥させてしまうことで、内部に歪みが生じて、目に見えない割れが発生したり、
木が本来もっている粘り(復元しようとする力)が落ちてしまったりもします。
また、見た目や香りの面では、ヒノキや杉などの綺麗な淡いピンク色が黒っぽくなったり、
香りも熱を加えたような香りに変化してしまうのです。
では昔の日本では、木材はどのように乾燥をさせて使っていたのでしょうか。
それは「葉がらし」と「自然乾燥」です。
「葉がらし」
木の伐採を水を吸い上げなくなった秋口に行い、冬の間に枝をつけたまま山に放置します。
その結果、ゆっくりと葉から水分が抜けて行き、春に山から卸してくるという方法です。
杉などは、芯材(赤身:赤い部分)と辺材(白太:皮に近い白い部分)の水分量が大きくことなるのですが、
「葉がらし」によって、無理なく芯材と辺材の水分を一定にすることができます。
製材したときの反りも少なくなり、色艶も良くなります。
「自然乾燥」(天然乾燥)
乾燥釜で強制的に乾燥させるのではなく、倉庫で雨を避け、自然にまかせて乾燥させます。
機械乾燥は強制的に熱を加えることによって乾燥させる現代の方法ですが、これによって木が本来もっている香りや色艶が損なわれてしまいます。
蒸留して抽出したヒノキなどのアロマが売っていますが、
まさに、あれが抜けてしまった木というイメージです。
反面、自然乾燥は木のアロマ成分がしっかりと残った、木の本来の良さがしっかりと残る、昔ながらの乾燥方法です。
このように、山で「葉がらし」をして、製材後に「自然乾燥」をした木材というのは
一般に流通しているものと実際に並べてみると、色も香りも全く異なるので、皆さんビックリします。
特に手足に触れるフローリングなどは、葉がらし、天然乾燥をしたものを強くおすすめします。
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<編集後記>
木材を伐採すると、その切り株や切り口が、ものすごく濡れていることに驚く人も多いです。
木の伐採は「寒伐り」といって、秋から冬の木が活動を停止したタイミングでやるのが昔の常識でしたが、現在は一年中伐採するところもあります。
昔は木が水分を吸い上げている春や夏に伐った木を「ズブ生」といって嫌われました。
虫がつきやすく、反ったり割れたりしやすいからです。
木だけに限らず、農業でもそうですし、様々なものは昔ながら方法が一番正しいことが沢山ありますよね。
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