皆さんこんにちは。
駿河屋の九代目 一桝です。
中古マンションを購入するときに、
「あと何年住めるのだろう」
と考える方も多いとおもいます。
一体マンションの寿命って
何年なんでしょうか?
財務省が定める減価償却期間は
60年なので60年が寿命だと
思っている方もいたり、
35年ローンを組んで購入する方も多いので、
35年だと思っている方もいたりします。
そんなマンションの寿命。
実は考えかたで全く違うんです。
住宅の寿命については
様々な研究がされています。
面白いのは2011年の
「建物の平均寿命推計」ですが、
人間の平均寿命を推計するのと
同じ方法で建物を調べると
木造住宅の平均寿命は64年だそうです。
マンション(鉄筋コンクリート造)
の寿命も様々な研究がされていますが、
どれが一番正しいとは言えません。
1979年
「建物の維持管理」では117年
2013年
「建物の平均寿命実態調査」では68年
1951年
「固定資産の耐用年数算定方式」では120年~150年
おかしいですよね。すべて全く違う年数です。
私は会社員時代には
実際に鉄筋コンクリート造のマンションを
何棟も建てる現場監督でした。
その私が言い切れるのは、
マンションは2つの管理で寿命が決まる。
新築工事の「現場管理」と、
完成後の「維持管理」で
耐用年数(寿命)はまるっきり
違ってくるということです。
マンションは鉄筋コンクリート構造の
ものがほとんどを占めています。
その鉄筋コンクリート造は
サビに弱い鉄筋をアルカリ性の
コンクリートで包み込むことにより、
長い間鉄筋が錆びずに
強度を維持することができるという
優れた構造なんです。
ついでの話しですが
鉄筋は熱に弱いが
コンクリートは熱につよい。
鉄筋は曲げに強いが、
コンクリートは曲げに弱い。
などなど、
お互いの長所と短所を
補っているという優れた構造です。
なので、
建築業界の結婚式などは、
よく夫婦のこれからの仲を
鉄筋コンクリート造にたとえて
「お互いの長所と短所を補いながら素晴らしい家庭を築いて下さい」
というような主賓挨拶をする
工事部長がいたりします・・・。
こうした素晴らしい夫婦のような
鉄筋コンクリート造ですが
長年の風雨にさらされ劣化し、
アルカリ性だったコンクリートが
じわじわと表面から中性化してきます。
それが鉄筋まで到達すると、
内部の鉄筋を守れなくなり
サビが発生します。
古い鉄筋コンクリート造の
構造物を見ると外壁が割れて
サビた鉄筋が見えていたりします。
あれは、
内部の鉄筋が中性化で錆びて、
鉄筋の体積がサビて増えたことにより、
表面のコンクリートを
割ってしまった状況なんです。
ここで大切になるのが
鉄筋からコンクリート表面までの距離です。
これを専門用語で「かぶり厚さ」といいます。
鉄筋にコンクリートが
かぶせている部分の厚さと考えてください。
だいたい外壁で3㎝から4㎝
くらいとされています。
コンクリートのアルカリで
酸に弱い鉄筋を守っている
「鉄筋コンクリート造」ですから、
この厚さが薄いと
コンクリートの中性化により
鉄筋が錆びるのが早いということです。
すなわちこの厚さがマンションの
寿命を決める要因の1つといえるのです。
しかし、
この大事な「かぶり厚さ」を
キチン取れていない建物があります。
理由は様々で、ここで伝えると
非常に長くなるのですが要するに
「職人の技術不足」や現場監督の
「怠慢管理」「知識不足」によってまた、
極端な工事期間の不足などが要因で
こうしたことをキチンと管理していない事で
劣化に弱い建物になってしまう
ことがあるということです。
「マンションは管理を買え」
という言葉があるのをご存じですか?
しっかりとした管理会社は
修繕計画や積立金などしっかり住民をリードし
素晴らしい管理をしています。
反対に、いい加減な管理会社のマンションや、
希に管理組合の運営がうまくいっておらず、
管理会社への費用支払いを渋り、
自主管理にしてしまったマンションは、
修繕が遅れ気味になり、
マンションの寿命を
どんどん短くしているようです。
僕たちは不動産仲介も行いますが、
自主管理の物件の購入は
絶対におすすめしません。
必要に応じて管理費の値上げが出来ず、
その結果、予算不足から管理がずさんになり、
建物はどんどん資産価値を失っていきます。
マンションの管理会社は業者と癒着があり、
非常にグレーな業界ですが、
先手先手で修繕提案をし、
結果として資産価値の落ちない管理をしています。
マンション購入はこうした管理を
しっかりやっている物件を選びましょう。
この2点についてしっかりした
マンションであれば私は100年は
十分にもつと考えています。
マンションの建て替えですが、
基本的に建て替えが非常に
難しいと考えてよいでしょう。
法律で住民の4/5以上の賛成がないと
建て替えができないと言われる「マンション」。
住民の同意で建て替えしたという
事例は極めて少ないのが現状です。
マンションの建て替え円滑化法や、
新築当時よりその土地が容積率などの
緩和がされたことによって
建て替えが進んだケースはありますが、
それはごく一部です。
目の前のマンションの建て替えで
さらに巨大化したら
周辺住民からの反発もでそうです。
現実に建て替えできた事例は、
ほとんどが建て替えることで
マンションの容積率をアップさせ、
増えた住戸を分譲させることで
建て替え費用をまかなうことが
できたようなケースです。
主に低層の集合住宅に多いのです。
そう考えると、現時点では
建て替えはあまり現実的ではないと思われます。
新築のマンションを勧めない僕ですが
中古マンションは、先の2点の「管理」が
マンション選びの際の重点項目となります。
なにより不動産会社さんとだけでなく、
建築のプロに同行してもらって
そのマンションがしっかりと造られているか
購入する前によく見てもらうことが、
とっても大切です。
過去に関連記事を書いてます。
中古マンションを買ってリノベするなら確認すべき5つのポイント
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<編集後記>
先日、社員と車で移動していたら
なにやら見覚えのある場所に来ました。
?ん?・・・あ!そうだ!ここここ!
僕が会社員時代に建てたマンションの横を
通ったんですね~。
ここは僕が建てたんだよ!と
当時はこんなであんなで・・・と
思い出話が沢山でてきました。
こだわって施行管理しただけに
年代のわりに劣化もなく
「いやー!俺っていい仕事するなー!」
なんて言っちゃいました(笑)
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