マンション住まいなら中古マンションを断然オススメしている私ですが
その理由の一つとして
「現在の管理状態が見える」ということがあります。
「マンションは管理を買え」という言葉のある通り
管理次第で将来の資産価値が全く変わってしまうからです。
私は戸建て住宅とともにマンションの新築工事にも
長く携わって来ました。
大手デベロッパーの新築マンションを行ったこともありますし
大手ゼネコンとのJV(ジョイントベンチャー)も経験しました。
自社では、大手の大規模修繕の下請けや
不動産管理会社からの依頼での営繕工事
そして管理組合への入札や工事
マンションに関してもかなり多岐にわたる経験をしております。
マンションは一つの町内会と同じです。
コミュニケーションが取られていなかったり
しっかりと機能していないと、マンション自体も荒れてきます。
そうしたマンションは最終的に資産価値が下がると言っていいでしょう。
今日はどういった視点が管理を見極めるコツになるか
お話ししたいと思います。
目次
建物外外部
外周をぐるりと一周すれば
営繕計画が適切になされているかすぐ判ります。
鉄筋コンクリート造のマンションは
年月とともにひび割れが生じることがあります。
ここを適切に処置すれば問題ありませんが
放置すると、内部の鉄筋が錆びて膨張し
「爆裂」(ばくれつ)という状況になります。
これはかなり末期症状です。
この症状まで放置されている管理組合は
営繕費用が無いことを物語っていますので
理由を確認して、場合によっては
購入を控えたほうが無難です。
塗装された外壁を触ってみて下さい。
手に白く粉が付けば
塗装の防水性能が機能していません。
手が真っ白になるくらいだと
完全に修繕のタイミングが遅れています。
少し白くなる程度であれば
そろそろ修繕工事(営繕)のタイミングです。
そうしたことを踏まえ、管理会社に
修繕工事の時期を聞いてみて下さい。
その回答によって、修繕工事にあてる
積立金があるのかないのか判ります。
遅れ気味のマンションは劣化が進行し
資産価値が下がってきます。
金属部分の錆びが進行してないか
外観を確認してください。
資産価値の下がる放置マンションは
鉄部の劣化が著しいです。
階段部分も歩いて確認してみて下さい。
可能であれば屋上を見させてもらうか
もしくは防水の工事履歴を教えてもらって下さい。
放置マンションは防水がめくれたり
目地が取れたり、クラック(ひび割れ)が入っており
酷い場合には苔が沢山生えていたり
ドレン(排水溝)が詰まってプールになってます。
駐輪場、ゴミ置き場を見る
放置バイクや放置自転車があったり
雑然としていたら、住民の民度が低く
管理会社が機能していません。
ゴミなどの放置や落ち葉などの清掃も
しっかりされているか確認してください。
ゴミ置き場の清掃状況や
烏避けネットの管理、スプレー缶などの放置
粗大ゴミの放置などは問題外ですね。
エントランス・廊下を見る
エントランスや廊下などの清掃状況はとても大切です。
チラシがポストまわりに散らかっていたり
落書きやイタズラがされていたり
民度の低いマンションは荒れているところが目立ちます。
管理組合がしっかりとしていれば
そうした管理をきちんとした管理会社へ委託し
必要であれば管理組合の呼びかけで
コミュニケーションの取れている
住民同士での清掃もしているからです。
エレベーターに乗る
エレベーターが臭いマンションがあります。
こういう物件はとても残念です。
大切なお客様も乗るであろうエレベーターが
ペットや生活臭などが酷いと
印象も悪くなりますし、
極論を言えば見えない資産価値も落ちると思います。
また、落書きなどがされている場合もあります。
落書きの放置も管理がしっかりされていない証拠です。
管理組合がしっかりとしていれば
こうした問題や不満を解消するために
何らかの対策をとっているはずです。
ご自身が住まわれて、毎日乗るであろう
エレベーターの匂いがいやだったら
気分も下がりますよね。
もし、1階住まいが希望であっても
必ずエレベーターの中に入ってチェックして下さい。
住民の雰囲気
物件を見に行くタイミングは
夕方に奥様が買い物に出掛ける時間帯
子供達が帰ってくる時間帯がオススメです。
エントランスホールやエレベーターで会ったら
必ず挨拶してみましょう。
管理組合がしっかりしているマンションは
住民間のコミュニケーションも良く
挨拶も日常的に交わされます。
子供達も元気に挨拶しているマンションは
とても気持ちの良いものです。
こうしたマンションは催し物も定期的に
開催されている場合もあります。
どうせ住むならギスギスした人間関係や
隣がわからないようなマンションよりも
潤いのあるマンションに住みたいものです。
掲示板を見る
エントランスホールやポストコーナーにある
掲示板に貼られている内容をチェックしてください。
いつまでも古い情報が掲示されているのは
管理会社の怠慢ですし、
住民同士の催し物が企画されていれば
コミュニケーションが取られているし
組合が積極的なことがわかります。
管理組合が消極的なマンションは
こうした催しは開催されません。
管理組合の理事会開催の状況もわかりますし
ゴミに対する意識も見えて来ます。
管理人と話しをする
一般的なマンションは規模によって変わりますが
常駐するか、曜日を決めて来ることになってます。
現地を見に行くときには
管理人さんがいる曜日、時間帯を狙って
必ず管理人さんに会えるようなタイミングで
行くことをおすすめします。
会って話すことで
日常の管理状況がよくわかりますし
住民の状況も判ります。
管理人さんと住民がエントランスですれ違うときに
言葉を交わすような所だと
コミュニケーションが取られていて良いですね。
また、購入検討されている部屋の
上下左右の住民はどんな方か
ずばり聞いてみることも大切だと思います。
せっかく新居に入居しても
ちょっと困った方がいると大変な苦労をします。
マンション購入は博打であってはいけないと思います。
修繕履歴と計画を見る
管理会社が適切にメンテナンスを行っていれば
その修繕履歴があるはずです。
それを不動産会社の営業担当者に頼み
見せてもらいましょう。
10年、遅くても15年サイクルで
外壁の補修や塗装、防水などを行っているのが普通です。
また築25年から30年では給排水管の更新(交換等)を
行っているのが一般的です。
これらが適切なタイミングで行われていない場合には
修繕積立金が不足しているか、
理事会、管理会社、住民になんらかの問題が生じています。
今後の修繕計画がどのようになっているか
積立金の状況なども営業担当者を通じて
確認をしておくことが大切です。
修繕積立金の額を比較する
マンションの資産価値を落とさない為には
しっかりとした長期修繕計画のもと
外部や共用部などの営繕(お手入れ)が
されていることが大切です。
その為には修繕積立金が適切な額が
確保されていなければなりません。
新築当初の管理費は安く設定されている物件もあり
運営数年で足りないことに気付き
あとから値上げするケースもあるようです。
気付いても値上げが出来ないようなマンションは
結局、営繕が適切に追いつかずに
劣化が目立つマンションになり、
資産価値も落ちてしまいます。
マンションに限らず、住まいは適切な時期
もしくは少し早いくらいに営繕を繰り返さないと
どんどん劣化が進行し、営繕に余計費用が
かかってしまいます。
そうならない為にも、信頼できる管理会社の
アドバイスのもとに、適切なタイミングでの
営繕が必要になってきます。
その為には予算確保が肝心なのです。
修繕の記録や積立金の額は
管理会社へ問い合わせれば調べることが出来ます。
金額だけ聞いてもわからないと思いますので
ここでは、同規模、同年代のマンションと
比較することが大事です。
毎月の管理費の額も
同じエリアで同規模、同年代のマンションの
管理費と比較することが大切です。
他の2つと明らかに低いなどは
かならず理由があるか
営繕が滞っている様子が目に見えるはずです。
管理規約を見る
マンション購入前には必ず管理規約をチェックしてください。
国土交通省が出しているマンションの
標準管理規約と比較することで
検討中のマンションの規約が厳しいかそうでないか
管理組合の都合の良いように変えられていないか
みてみて下さい。
内容については、結構漠然としているものもあります
なるべく具体的に書かれているほうが良いですね。
リノベーション(フルリフォーム)、リノベーション前提の場合には
リノベーション(フルリフォーム)関連の規約にもよく目を通して下さい。
自室をリノベーション(フルリフォーム)する場合の規則やルール
工事中の規則や、工事申請の方法や
工事申請に必要な期間など
また階下と音の問題でもめない為にも
遮音に対する規定なども確認が必要です。
マンション購入で
自然素材住宅にしたいと考えていても、
購入してからフローリング不可のマンションだった
ということもありますので、必ず確認が必要です。
中古マンション購入前にチェックしよう
□蛇口の水の濁りはないか(赤水、サビ水)
□排水の流れ(キッチンの排水、浴槽に水を溜めて流すなど)
□排水の匂い
□給湯器の容量(間取りがファミリータイプで20号から24号)
□電気容量、ガス容量がアップできるか
□換気扇の吸い込み能力(洗面やトイレ、浴室を1台で兼用していると能力不足)
□耐震性(1981年6月以降の確認申請が新耐震基準)
※1981年築造が新耐震ではない。
□スラブ(床コンクリート)厚さは150㎜以上か(理想は200㎜)
□コンクリートの壁厚さは150㎜以上か
□1Fが駐車場などではないか(新耐震以前の場合地震に弱い)
□外壁のひび割れ(さびが出てたら営繕が後手後手)
□金属部分のさび
□汚れ
□避難ハッチのさび
□塗装部分の白化(手で触って白くなれば塗装するタイミング)
□両隣、上下階の住民(契約直前に出来れば会いたい)
□遮音性
□結露、カビの状況
□匂い(ペット臭など)
□日当たり
□通気性、通風
□コンクリート直仕上げか?(カーペットやクッションフロア仕上)
※フローリングに変えたい場合、余計なコストがかかる。
※仕上げが貧弱だと冷えで健康被害が生じる。
□曜日、時間を変えて雰囲気をチェック
□違う季節を想像してみる。日射等
□近隣施設までの徒歩時間
□学校、公園、児童館、遊び場のチェック
□病院、役所など施設までのアクセス
□町会掲示板での催し物
□道路交通量
□空気(排気ガス、首都高横など)
□エリアを地図で俯瞰する
※幹線道路に囲まれていると空気が悪いことがある
□災害発生エリアか(過去の記録を区役所で調べる)
□地盤(区役所で調べる)
□植栽の剪定
□ゴミ置き場の清掃状況
□ポストまわりのチラシのゴミなど
□共用部の清掃状況
□掲示板(古いお知らせの放置など)
□自転車置き場が整然としているか
□設計図書の保管状況
□営繕計画
□リノベーション(フルリフォーム)規約(フローリング不可、騒音規定など)
□管理規約が管理会社有利になってないか
□管理費が妥当か
□管理組合の総会開催頻度(年1回)
□管理会社の具体的管理内容
□管理組合と管理会社の管理委託契約内容
□マンションの管理組合が自主管理していないか
(積立金不足から管理会社へ委託できない)
□店舗使用の規則
□ペット規則
□オートロックシステムがあるか
□バルコニー側の侵入対策
□玄関錠がピッキング対策済か
※リノベーション(フルリフォーム)で交換可能
□信頼ある大手ゼネコンか
□施工会社は現存するか(倒産してないか)
まとめ
今日は僕の長年の経験から、
中古マンションを購入する際の
重要なチェックポイントをお話ししました。
ついつい立地と価格だけで判断しがちですが
カーペットからフローリングに変えられないなど
困ってしまうお客様がたびたびおられます。
「マンションは管理を買え」というのは本当です。
是非参考にして下さい。
過去に関連記事を書いてます。
中古マンションを買ってリノベするなら確認すべき5つのポイント
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<編集後記>
あっという間に9月になります・・・。
夏の間は沢登りとダイビングの季節なので
もうシーズンが終わってしまう!
という危機感ですが~
もうなんだか寒いしもーいっかな?
という感じ。
でも9月のお楽しみは~
はなんと!ハンマーヘッドシャークを見に
神子元島に行きます!!!!
二年越しの夢を叶えにいってきます!
写真は「神子元ダイビングファン」より
運が良ければこんなハンマーの群れが見られますが
流れが強烈に速い潮なので
ある程度の上級者じゃないと入れないポイントです。
今から楽しみです!
駿河屋の九代目がお送りする、天然素材・自然素材住宅のホント
幸せの住まい作り最初の一歩を間違えない為の
★産直の厳選素材住宅 自然素材住宅・珪藻土・無垢の木なら創業1657年 駿河屋
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