皆さんこんにちは。
駿河屋の九代目 一桝です。
今年は温暖化の影響で、
花粉の飛散する時期も早いですね。
今日は花粉によるアレルギーに
関することをお伝えします。
自然界ではバランスが崩れると、
バランスを取り戻そうとする作用が起こります。
その自然の摂理を
「拮抗作用」(きっこうさよう)と呼びます。
日本では衛生観念が高まり
抗菌や除菌などが
当たり前の世の中になりました。
その為、
他の雑菌、細菌などが減ってきて、
今まではそうした雑菌、細菌などを
異物として攻撃していた身体が、
花粉などを異物として
攻撃するようになったと言われています。
その攻撃方法が、
鼻水や涙で取り去ろうとする
身体の作用です。
杉やヒノキなどが増えてきたから
反応するようになったという理由だけではなく、
抗菌や除菌などが当たり前になったという
社会的背景も原因の一つである
ということもあるんですね。
「風媒」(ふうばい)とは
花粉が風で運ばれて雌しべの柱頭につき
受粉することをいいます。
こうした自然の風頼みの受粉がないと、
杉やヒノキは花らしい花を咲かせません。
なんででしょうか?
それは、
杉やヒノキは
花を咲かせて虫を呼び寄せ、
虫を媒介して受粉する
必要がないからです。
針葉樹が沢山生えていたはるか昔は、
昆虫すら少なく、
受粉をしてくれる虫を
あてにできなかったのだと言われています。
そこで
一番花粉を飛ばせるものである
「風」の力を借りるようになっているんですね。
これを「風媒」(ふうばい)といいます。
風に頼むのでなるべく粒を小さくしています。
だから杉やヒノキなどの花粉は
風で都会まで飛んでくるんですね。
都会の道はアスファルトや
コンクリートばかりなので、
雨で地面に浸透しません。
乾くとすぐに舞い上がります。
こうした都会の環境も
花粉の被害をさらに増やす原因です。
人間の鼻の中は湿っています。
実は湿っていないとニオイを感じることは
出来ないと言われています。
犬が寝ている時の鼻を知っていますか?
かさかさに乾いていますが、
起きるとすぐに鼻が湿ってきます。
これは人の1000倍もある
嗅覚のスイッチを切るために、
犬は寝るときに鼻が乾くんだそうです。
花粉は鼻腔内に入ることで湿って膨張します。
これに反応して鼻水を出して
洗い流そうとするのです。
では、
クシャミや痒みなどはなぜでしょうか。
もともと人間の身体は
異物が入ってくると排除するために
抗体をつくる作用があります。
普通は無害なものには
反応しませんが、
はじめにお話しした
「身の回りの雑菌が減った」
ことによって、
様々なものに過敏に反応するように
なってしまいました。
これがアレルギー反応です。
杉花粉を浴びる量によって、
花粉症が発症するわけではありません。
山で暮らす人はすべて花粉症かというと、
そうではありません。
春の花粉症は花粉に反応しますが、
排気ガスや食べ物、
身の回りの菌の減少や化学物質などなど、
様々な要因が複合的に起こって、
私達の身体に変化が起こって
「花粉」というものに反応しているにすぎません。
花粉の出ない杉に植え替える
なんていう話しが出ていますが、
本末転倒ではないでしょうか。
もっと私達の生活全体を俯瞰してみて、
私達自身が未来の生活を変えていく
ことのほうが大切だと思います。
杉や桧だけに責任を押しつけるのではなく、
本質的議論が必要だと専門家も言っています。
この時期は花粉症の方には
とてもツライ時期ですよね。
こうしたアレルギー症状は、
特定のものが原因で発症している
というわけ”だけ”ではありません。
現代社会で私達の身の回りにおこる様々なこと。
つまり生活に取り入れられてきた食材や、
生活で使われる洗剤などの化学物質。
そして環境を汚染する排気ガスなど、
様々なことが複合的に取り巻き、
私達の身体を変化させています。
こうした身体の変化によって、
特定のものでアレルギー反応が
起こっているのです。
その1つが杉やヒノキの花粉です。
特定された杉やヒノキの花粉が出ないようにしよう。
というような短絡的解決方法ではなく、
僕たちはもっと生活全般を見渡して、
便利さと健康をうまく融合させながら
個人レベルで考えていくことが
必要なのではないでしょうか。
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<編集後記>
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