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マンションの水まわり位置を大幅に変えたい場合の手法と注意すること

RELEASE:2017.06.20     UPDATE:2018/03/28
CATEGORY:ブログ, マンションについて, 社長ブログ
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「マンションリノベーション(フルリフォーム)でお風呂を移動したいけど出来るの?」

「マンションリノベーション(フルリフォーム)で水まわりを北側に集中させて、広々リビングにしたい」

「キッチンの向きや位置って自由に変えられないの?」

「水まわりの音の問題って大丈夫?」

 

今日はそんな疑問をお持ちの皆様に向けて、この記事を書きました。

 

こんにちは。

一級建築士、一級建築施工管理技士、宅地建物取引士の一桝です。

私は会社員時代、10年間マンションの新築にも携わって来たプロです。

現在はマンションのリノベーション(フルリフォーム)やリノベーションを多数手がけています。

 

マンションのお風呂やトイレなど、「水まわり」と言われている設備機器ですが、一般的にはあまり移動出来ないものとされています。

しかし、ある一定の基準をクリアすれば、大幅な移動も可能となります。

 

でも、それには細心の注意と根拠に裏付けされたしっかりとした設計と施工が必要となります。

 

「今日の目的とゴール」は

「マンションの水まわりの位置を大幅に変えたい場合の手法と注意すること」を理解することです。

 

 

水まわりの移動に制約が出るのは「排水管」

 

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マンションで一般的に水を使う設備は

 

お風呂

キッチン

洗面

トイレ

 

です。

ここに水を運ぶ「給水管」とお湯を運ぶ「給湯管」

そして、排水する「排水管」が関わってきます。

 

ちなみにトイレは手洗いにお湯を使わなければ、便器の排水やウォシュレットへお湯、すなわち「給湯管」を配管することはありません。

こうした配管を使って水やお湯を供給しながら、排水するのがマンションの水回りです。

 

この中で、「給湯管」や「給水管」は比較的自由にどこへでも配管を伸ばしていくことが出来ます。

「水回りの移動」に制約を及ぼすのは、主に「排水管」なのです。

 

※キッチンの熱排気は別の機会に説明します

 

 

 

「水まわりの移動」がしづらいマンションとは

 

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リノベーション(フルリフォーム)で水回りの移動がしづらいマンションとは、「排水管」の移動がしづらいマンションなのです。

図面をご覧下さい。

 

平面図をよく見ると「PS」と書かれている小さなスペースがありますよね。

これは「パイプスペース」の略称記号として「PS」と書かれています。

 

ここの小さなスペースは、マンションの上下階の間取りの関係で、縦方向に排水管を通しているスペースなのです。

縦方向に排水管を通している「PS」は、移動することは不可能です。

 

この「PS」は多い場合には、「トイレ」や「キッチン」「洗面」「お風呂」などそれぞれの横にある場合もありますし、玄関の横にある給湯器やガスメーターなどが入っている「PS」(MB:メーターボックスと表記される場合もある)だけの場合もありますので、よくご図面を見てみてください。

 

「PS」の多いマンションの居室は、「排水管」を結ぶべき場所が特定されてくるので、自由に「水回り移動」をすることが難しいと言えます。

 

なので、もしもマンションを購入し大幅な水回りの移動を考えている場合には、「PSがどこにあるのか」ということをしっかりと見極めないと、望んだリノベーション(フルリフォーム)が出来ない可能性があるのです。

 

 

 

「水まわりの移動」をした際に気をつけること

 

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「PS」が平面図で見る限り、室内に無く、排水は玄関の横の「PS」(MB:メーターボックスと表記されていることもある)のみの場合、排水管はすべてそこに集約されています。

 

つまり、どこへ「水回りの移動」をしても、そこに排水管を繋げばいいということです。

 

しかし注意することがいくつかあります。

 

1)排水管の勾配

排水管は当然ながら水などを流す管なので、斜めにして勾配をとらないと正しく排水されません。

排水管の勾配が足りないと、排水の詰まりの原因になったり、排水管の汚れの原因になったりします。

 

水回りの移動距離によって、勾配も多くなり、床の高さも既存より上げなければならない場合も出てくるのです。

 

2)排水管をどう結ぶか(系統)

排水管をトイレや洗面、キッチンやトイレなどなど、全部一緒にまとめると、お風呂やトイレで大量の水を一気に流すことで、配管内が真空になり、他の設備のトラップの中の水まで引っ張ってしまうことがあります。

 

トイレやお風呂、洗面やキッチンなどは、虫や臭気が上がってこないように、配管をS字にしたりして一時的に水で配管をふさいでいる「トラップ」というものがあります。

ここにためている水を引っ張ってしまい、無くしてしまうのです。

 

ここの水が無くなると、臭気や虫が上がってくる原因となってしまいますので、配管をどう結ぶかは信頼できるプロに任せなければなりません。

よくあるのが、お風呂のお湯を一気に排水したり、トイレを排水したりすると、他の水回りで音がするというようなトラブル。

これは、大量の水を流したせいで、配管が真空になり、他の水回りのトラップの水を引っ張っている現象です。

 

こうなった場合の対策方法は「給気弁」を追加する方法もあります。

 

3)配管の騒音問題

マンションは基本的に平面の間取りプランが「上下同じ」や「隣と左右対称」になっていたりします。

ということは、トイレはお隣のトイレの横ですし、お風呂はお隣のお風呂の横。

寝室に使っているだろう部屋は、寝室に使われていることが多いのです。

 

水回りを移動した際に、寝室に使われているであろう部屋の上にお風呂をプランニングしたり、トイレをプランニングしたりするとどうなるでしょうか。

生活音が静かにしなければならない部屋で聞こえてしまったりします。

これが水回り移動に伴うよくあるトラブルです。

 

音の問題は一度発生してしまうと気になるものです。

なので細心の注意を払って対策を設計、施工しなければなりません。

 

床の防音対策や排水管の防音対策、固定するバンドや金具にいたるまで、消音効果の高いものを選択して設計し、施工してください。

あとから工事のしなおしなど、とても難しい部分なだけに、細心の注意を払ってしっかりと対策することが必要なのです。

 

 

 

今日の「わかった!」

 

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マンションの水回りの位置を大幅に変えたい場合の手法と注意することは、主に「排水管」に起因しています。

この「排水管」を繋ぐ「PS」と書かれた、排水管が縦に伸びている部分は動かすことが出来ません。

 

なので「PS」と書かれたところが住戸内部に多ければ多いほど、排水管が自由にならないと考えて良いです。

 

水回りの位置を大幅に変えられる間取りであることがわかったとしても、計画する際には、排水管の勾配をしっかりとることと、位置が大幅に変わる場合には、騒音対策もしっかりと設計して施工しなければ、大きなトラブルになることがあります。

 

リノベーション(フルリフォーム)でキッチンやトイレ、洗面やお風呂など、大きく場所を変えることで、自分にあった素敵な住まいが完成するかもしれませんが、それには細心の注意が必要なのです。

 

 

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<編集後記>

 

このブログは「父の日」に書いています。

先日の「父の日」は出勤して会社の畑で芋掘りしてました。

 

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午後に会社に戻り、来店のお客様の時間の前に、一度自宅にもどって着替えていると、娘から父の日のプレゼントをもらいました!

 

僕の大好きなキルフェボンの焼き菓子!

 

P6181141

 

今日は何もないものと思ってたので嬉しかったですね~!

 

甘~い焼き菓子と、濃いブラックコーヒーが大好きなのです。

 

そういえば、先日のアメリカで買ったお土産は不評でした・・・。

 

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