皆さんこんにちは。
駿河屋の九代目 一桝です。
中古マンション選びで重要なことは
価格や立地や間取りだけではありません。
私たち建築と不動産のプロが見る
「良い中古マンションを見分ける6つの視点」
について、今日はお話しします。
目次
良いマンションの条件は沢山あります。
不動産的視点にたって言えば、
将来価格が下がるするような物件では
資産的にも不安ですし、
将来的に人口が減っていくようなエリアで
交通アクセスも悪ければ、
売りたい時に売れず、
物件に縛られるてしまうようだと
生活していくリスクすら高まります。
建築的視点で言えば
欠陥マンションだったら
修繕費用が高くなってしまい
割安で購入できたとしても
結果的に高くつくこともあります。
建築と不動産の両方をわかっている
私たちが物件の善し悪しを判断する基準は
多岐にわたりますが一般の方でも比較的
わかりやすい6つのポイントをお伝えします。
タワーマンションなどで言われていますが
上層階と下層階などで価格差が大きすぎて
世帯所得の全く違う住居が混在するような物件は
避けたほうが良いです。
考え方や暮らしぶりが全く違うので、
お互いに住みづらいですし、
理事会なども考え方のギャップなどで、
決まることも決まらないなど、
合意形成して
進めなければいけないマンションでは、
長期的にみて資産価値を
落とすことにもなりかねません。
ファミリータイプとワンルームが混在している
物件も同じことが言えます。
マンションの建てかえは
非常に難しいのが一般的です。
一旦解体して建て替えることは
住民それぞれ金銭的事情に差がありすぎて
話しがまとまらないからです。
そうしたなか
「いかに構造体を長持ちさせて内部のリノベーション(フルリフォーム)をしやすく作ってあるか」
ということがとても重要です。
これをスケルトン・インフィルといいます。
構造体と内装部分の耐用年数は違うので
内装部分の交換をしやすく作るという考え方です。
たとえば、二重床、二重天井などは
配管を施工しやすくつくられているという事です。
また、
施工しやすいということだけでなく
水回りの移動のしやすさ、
つまり間取りの変更が柔軟に出来ることにも繋がります。
家が放置、解体される理由は
「生活スタイルに合わなくなってきたから」
が1位です。
いつの時代にもあった暮らしに
柔軟に適合できる構造であることが重要です。
マンション用地の取得が難しくなってきた
近年の物件に多いのですが、
変形敷地に無理に計画したような
マンションは避けた方がよいでしょう。
敷地がいびつな中に無理に計画していたり
容積率一杯に計画したために
建物がいびつになっていたり。
敷地や建物に余裕が感じられなかったり。
計画に無理があるとどこかにしわ寄せが来ます。
建物の形状がアンバランスだと
耐震性能も劣ってきます。
建築基準法はクリアしていても
実際の震災で受けるダメージは
バランスの良い建物と比較すると
全く違ってくる可能性が高いです。
反面、古いマンションは
敷地や建物もバランスが良く、
開発されはじめな時代に分譲されたこともあり、
駅からのアクセスも良いなどの
メリットがあったりします。
需要のある物件は
貸したい時にいくらでも貸せ、
売りたい時に売れるということです。
購入してわずかな期間で実家の両親の
介護の為に引越をしなければならなくなったり、
転勤しなければならなくなったり、
または、
子育てが終わったので
もう少し小ぶりな部屋に移りたい等々。
今の時代、将来が明確に見えないからこそ、
そこに縛り付けられるようなマンションではなく、
いざという時に自由に移動できる
フットワークが軽くなる物件を選ぶことがとても大切です。
ローコストマンションは
法律の限界内でいかに沢山分譲し
沢山利益を出すか考えてつくられています。
その為、階高を低くして、
1階でも多く計画します。
階高に余裕をもって計画しているマンションは
全体的にも様々な品質やゆとりを
考えて作っている事が多いです。
1つの目安として2800㎜以上を
基準とすると良いと思います。
新築マンションではわからない、
マンションの欠陥。
これは最初の大規模修繕がはじまる
築10年~13年ごろに
じわじわと明らかになってきます。
大規模修繕あとにはそれなりに
修繕のあとが目で確認できますが、
クラック(ひび割れ)の補修や
タイルの張替箇所などは
比較的一般の方でも見つけることができます。
こうした補修箇所が
築年数に比べて多すぎる場合、
新築時に突貫工事を強いられたか、
新築時の施工管理が
行き届かなかったことが想像できるとともに、
施工不良箇所が
「他にも問題がある可能性が高い」
ことが想像できるからです。
写真は物件購入を取りやめた、
タイル張替が異常に多いマンションです。
中古マンション選びは価格、築年数、間取り、
立地だけで選んではいけません。
しかし、
プロが見るところは多岐にわたり
専門性も高いために
一般の方ではわかりづらいと思います。
その中でも比較的わかりやすく
最低限押さえておくべきポイントが
今日お話しした6つです。
この6つ以外にも、
修繕積立金の貯蓄額や滞納金のこと、
大規模修繕の計画と管理費のバランスなど、
ここでは伝えきれない様々なことがありますが、
まずはここをしっかり押さえ、
不動産だけでなく建築のプロからの
アドバイスをもらってください。
くれぐれも価格、築年数、間取り、立地だけで
選ぶことのないように注意してください。
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<編集後記>
昨日は怒濤の福島日帰り出張から東京へ戻り
打合せ後の懇親会。
今日は終日セミナー受講後に
同業との情報交換会
懇親会ウィークはまだまだ続きますが
新型ウイルスを防ぐ為に
うがい、手洗い、マスクで乗り切ります!
ふ~
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