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1階の飲食店に2階店舗の匂いが出てしまったトラブル相談「換気」と「給気」のバランスの話し

RELEASE:2017.09.22     UPDATE:2019/01/18
CATEGORY:ブログ, 社長ブログ
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先日、ある友人から相談をうけました。

古いテナントビルの2階にとあるニオイを発生する健康系の店が店舗として入ったが、1階の飲食店にニオイが入ってきてトラブルになっているというのだ。

 

建物を管理している管理建築士の方がおり、その建築士に相談したところ、2階の換気対策工事を提案されたが、1階の飲食店に入ってくる2階のニオイが解消されるか保証できないから、やっぱり手を引かせてくれと、逃げられたそう。

 

困り果てた友人に相談された僕は「2階の換気に問題があるわけではないよ」と説明した。

原因はいったいどこにあるのか?

 

それは換気と給気の問題にあるのです。

 

今日は店舗設計における、給気と排気の話しをします。

基本原理は住宅でも同じですので、是非読み進んで下さい。

 

 

 

店舗設計に重要な「換気計画」

 

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店舗の換気とは「客席換気」「厨房換気」があります。

それに当然「トイレ換気」もありますね。

 

「厨房換気」には「室内換気」と「フード換気」があります。

 

「客席換気」

お客さんが座って飲食をするホール内の換気です。

新鮮な空気を供給したり、余計なニオイを排出する為の換気です。

 

「厨房換気」

厨房換気には「室内換気」と「フード換気」があります。

厨房の室内換気とは、調理する人に暑い寒いの負担がなるべくかからないように換気を行い、新鮮な空気や余計なニオイを排出します。

 

フード換気とは、調理するコンロから出る熱や水蒸気、油などを局所的に排出します。

油をキャッチしてまとめたり、水蒸気を効率良く外へ排出します。

 

それぞれの換気には目的がありますが、空気は「出した」ら「入れる」をきちんと計画しないと、様々な障害が発生します。

 

 

 

デザイナーは建築のプロではない

 

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店舗設計にはよくデザイナーという人が登場しますが、彼らのデザインはとても素敵です。

デザインのプロなので当然ですが、建築のプロではありません。

なので、「換気設計」や「換気計画」というものはあまりよく解っていない方もいます。

 

ひどい人は、換気扇は「あれば良いだろう」程度のことが多いのですが、それではトラブルになります。

 

換気の悪さは店内に「ニオイ」となって残ります。

中で働く店員さんは慣れてしまったあまりわからなくなります。

 

厨房の換気扇を入れると、客室のエアコンや暖房の効きが悪くなります。

でも店長はそれに気づかないのでエアコンの能力不足だと文句をいいます。

 

しかし閉店して調理をやめるとエアコンの効きは良くなります。

それは室内の客が帰ったからだと店長は思っています。

 

 

 

「出した」ら「入れる」が換気の基本

 

IMG_7032 (1)

 

うまくニオイが排気されないからといって、ハイパワーな換気扇を入れても解決できません。

なぜなら、「換気」とは「給気」とのバランスが大切だからです。

 

「換気計画」はけっこう大変で、ガス会社からは換気扇の排気能力はあまり言われませんが、空気を入れる「給気」に対しては色々と言われます。

格子状の「ガラリ」にするだけで面積は半減して計算しなければなりませんし、長いダクトをつかって出すためには、特殊で面倒な計算をしなければならないのです。

 

この計算でバランス良く店全体の「換気計画」をしないと、色々と不具合が生じてきます。

 

よく、マンションなどでキッチンの換気扇をハイパワーでまわすと、玄関扉が子供では開かないなんてことがあります。

これはマンションの気密性が高いため、排気を強引に行うことで、ドアを内側へ引っ張ってしまっているのです。

ゆうなれば「真空状態にしようとしている」ような状態。

 

ビンの口を吸っても空気が出てこない。

それと同じ状態になっているのです。

 

店舗でも、厨房の換気扇をまわしても、適切に空気を供給しないと、お店のドアが開かなかったり、自動ドアのモーターが唸るだけで動かなかったりなんてこともあります。

 

また、厨房のニオイや油がお店中に溢れているなんていうのも、給気と排気のバランスがとれていないからです。

 

よく、中華料理店でテーブルも床もベタベタしているお店がありますよね。

あれは調理の油が外にうまく出せずに店内を浮遊しているのです。

 

 

 

2階の店舗のニオイまで引っ張るか?

 

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冒頭の話しにもどります。

トラブルは1階の飲食店に2階で発生した臭気が流れてくるかという話しです。

 

そのビルは築30年以上の鉄骨造のビルです。

鉄骨造といえば、各階で防火区画をとっているので、コンクリートなどの床か、ALCと呼ばれるセメント系の板です。

隙間の処理はロックウールなどでされており、防火や耐火的には問題ありませんが、空気の対流はゼロではありません。

 

しかも老朽化したビルの配線や配管まわりのクラックや隙間などは当然発生していると思われます。

 

そうした建物において、1階の飲食店の給気が適切にされていなかったら・・・・

 

つまり排気に見合った量の空気を適切に入れていなかったら?

 

排出しようと頑張っている換気扇は、わずかな隙間を見つけて空気を引っ張れる場所を探す。

それは2階の床の隙間やクラックなどだったら、2階のニオイは当然1階に降りてくることになるんです。

 

 

今日の「わかった!」

 

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今日は友人からの相談にお答えした形でブログを書きました。

 

換気計画をしっかりと行っている飲食店はホテルのレストランくらい?かもしれません。

それくらい一般の飲食店では換気計画はいいかげんです。

 

なのでエアコンの効きやドアの開閉、店内の油や他店舗のニオイなど、様々な現象が起こってしまいます。

 

こうしたことは、他店舗やエアコンなどのせいではなく、「排気」と「給気」のバランスの問題です。

 

もしこうした問題でお困りの場合には、今一度「排気」と「給気」のバランスを見直して下さい。

 

 

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<編集後記>

昨日は宅建講習会最終日でした。

毎回池袋の日建学院まで通ったのですが人混みはどうも馴染めないですねー

 

これで講習会もひとまず終わりです。

やっと少し時間が取れそうです。

 

10月はトレランデビューの友人に付き合って高尾の大会に久しぶりにエントリーしてます。

トレーニングもそろそろしっかり追い込んで行って山を走り、11月は荷物をたっぷり担いで谷川岳周辺の馬蹄形と言われる縦走と友人たちとの北アルプス。

準備万端で冬山シーズンに入る計画です。

 

 

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