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子供の生活音に階下からクレームが来たら読むマンションの床のはなし

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皆さんこんにちは。
駿河屋の九代目 一桝です。


ここのところ
マンションにお住まいの方から、

「子供の元気な生活音による苦情が下の階からあり、リフォームを機会に対策をしたい」

というご相談や、

「マンションで無垢の木のフローリングにしたいけど、子供が小さくて下への騒音が心配」

というご相談がありました。

マンションはリフォームするにも規約があり、
特に音に関しての基準がしっかりと決められています。

この規約をしっかりと守れば、
基本的にそんなに心配することはありません。

しかし

「それでもうちの子は元気すぎて・・・」

と心配される方もいると思います。
今日はそんな方にむけてお話しをします。


マンションの規約とは


マンションにはそれぞれ
規約(ルール)が定められています。

内容は駐車場をはじめ
建物の全体の管理のことや、
ペットの飼育などなど。

マンションの住民が快適に住めるように
ルールを決めています。

そのマンション規約ですが、
フローリングに関しても細かく
決められているところが多いです。

このルールを守れば、
基本的に理事会や理事長から
文句や指導を受けることはありません。


床の防音規定

以前のブログでもお話ししましたが、
マンションでは音が階下にもれないように、
遮音性能の等級を決めています。

それがLL40だとかLL45だとかの数値です。

ブログ【マンションにおいて無垢の木の床を実現するには「乾式二重床」工法で】

詳しい内容はこのブログに記載されているので、詳しく知りたい方は是非読んでみて下さい。

この遮音性能にのっとった仕様で工事を行えば、
理事会や理事長から叱られることはありません。

しかし、

事前にどのような仕様で工事を行うのかを、
工事会社からしっかりと資料を提出して
説明することを求められることがほとんどです。

その場合には、
使用する材料のカタログのコピーや
性能実験のページのコピーなどを添付して、
どのような資材を使って工事を行うのか、
しっかりと説明できるよう図面とともに提出を求められます。
(これは施工業者が行います)

一般的に、合板のフローリングだろうが、
無垢のフローリングだろうが、
遮音性能を確保しているのはこの表面の素材ではなく、

乾式二重床工法、俗に言う
「置床」(おきゆか)部分で確保しているので、
表面の素材は関係ありません。


コンクリートと床の間に空間がある乾式二重床工法


逆に合板フローリングのような硬質なものよりも、
杉やヒノキなどの木のほうが柔らかく、
遮音性能としては高い事が想像できます。

なので、無垢の木の床にしたいけど、
今の床より遮音性能が劣ってしまうのでは?
と心配することはありません。


【注意】この場合、先のブログでも触れている「直床」(じかゆか)と呼ばれるスポンジの付いた合板フローリングが貼ってある場合(※歩くとふわふわした歩き心地のフローリング。歩いている人を見るとあきらかにたわんでいるのがわかる床)は、新たに「置床」(おきゆか)を設置して二重床にしなければなりません。「置床」は「二重床工法」と呼ばれ、現在が「直床」(じかゆか)であれば、「置床」(おきゆか)にする場合、現在の床より6㎝ほと高くなってしまいます。そうなると、既存のキッチンの高さや、洗面やトイレなどの床の高さ、建具(扉)の高さやバルコニーのサッシの高さなどなど、合わせてチェックが必要な場合があります。

直床用のフローリング
合板の下に遮音用のスポンジが貼ってある。
ローコストマンションの為に開発された商品


最下階の遮音規定


1階の床でも遮音規定がある場合があります。
1階であれば下に人が住んでいないので、
一体誰にとっての遮音かわかりませんが、
たぶん構造体全体に音が響くのを防ぐ為に、
遮音等級の基準を設けているのか?。

2階から上はLL40(LL45より遮音性能が高い)としながらも、
1階はLL45(一般的な遮音性能)と
緩和したりするマンションもあります。

1階から全ての階の遮音基準は
同じというマンションもあり、
理事会の見解は様々です。

なので最下階だからといって、
遮音性に気をつかわない工事をしてよいかというと、
そうではないので必ず確認が必要です。


現状がフローリングではない場合


現状はフローリングではないマンションもあります。
カーペットだったり畳だったり、
クッションフロアとよばれるビニールだったり。

年代などにより様々な特色がありますが、
必ずしも合板フローリングではない場合があります。

「フローリングへの変更が不可」と
マンションの規約に書かれている場合があります。

この場合は既存の仕上げを変えることは出来ません。

カーペットなどは現在、社会一般的に
ダニやハウスダストによって
健康障害が出るということで、
フローリングへの変更を許可する
方向に向かっていたりしますが、

まだまだこうした「フローリングへの変更を禁止」する
規約が残るマンションはあります。

なので必ず確認をしましょう。

場合によっては、既存の仕上げの上から
フローリングを敷き込んでズレないよう固定し、
剥がすのも簡単なように施工することもありますが、

それは状況によって出来る出来ないがありますので、
工事業者とよく検討してみてください。


子供が小さいのでフローリングが心配

子供が元気すぎて、
下から苦情が来るのではないか、

もしくは
苦情を受けた経験があるので
どうしたら良いかと相談される方もおります。

その場合には、
床のコンクリート面に遮音マットや遮音シートを敷き、
さらに遮音等級LL40の置床を施工する事もあります。


遮音マットを敷いた上に無垢のフローリングを貼ることもある


でも、
音は感覚の問題なので、
やらなければ階下からクレームがきて、
やったからクレームにならないとは
残念ながら言い切れません。

耐震補強と同じで、
どこまでお金をかけたから
安心できるということではないのです。

私がお勧めしているのは、
マンションの規約通りの施工を行いながら、
子供が小さいうちは、
遊ぶスペースだけコルクタイルを貼ったり、

畳が遮音材となる和室を遊ぶ場所にしたり、
天然コルクマットを敷いたりすることです。

このほうが費用対効果は高いと思います。



今日の「わかった!」

フローリングの張替は音の問題で
近隣トラブルになりやすいデリケートな問題です。

なので、
マンションの規約でとても厳しく決められております。

無垢の木のフローリングは
こうした規定をクリアできないわけではありません。

遮音するための機能はその
「下地」である「置床」(おきゆか・二重床)で
担保されているのです。

なので、
置床で規定の遮音性能を確保できれば、
上に仕上げ材として使う無垢の木のフローリングは、
何を貼っても遮音性能は置床メーカーがうたっている
遮音等級以下になることはありません。

それでも音の問題が心配な方は、
遮音シートや遮音マット、
遮音パネルなどを活用しながら
さらに性能を上げることが可能です。

でも、
子供の遊ぶ元気な足音くらいであれば、
フローリングの上に敷く、
ウレタンマットなどを敷くことで
大分軽減させることが可能です。

元気の良い子供は社会の宝のはずですが、
残念ながら最近は除夜の鐘や幼稚園や学校さえも
騒音問題にされてしまいますからね・・・。


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<編集後記>

ご来店いただいたお客様が、
現在お住まいのマンションでの
お子さんの生活音に関する相談でした。

将来的にフルリノベーションをお考えですが、
その際にできる床の防音工事についてです。

ヒアリングをさせて頂き、
現在の床の状況が理解できたので、
具体的な対策方法をお伝えいたしました。

これから二人目のお子さんが
お生まれになるとのことで、
しばらく落ち着かなくなりそうだとのことですが、

対策を知っていただいたことで
安心されたのではないかとおもいます。

ランチとスカイツリーに立ち寄りたいとのことで
車は駿河屋の駐車場に置いていって頂きました。

御礼の「おせんべい」のお味噌味が優しく
美味しかったです。


ありがとうございました!

今度お目に掛かるときは4人家族ですね~
お客様のご家族が増えていく姿がみられるのも
この仕事のひとつの楽しみです。

まだ小さい男の子が、
車の窓から手だけ出して振ってくれました。
また遊びに来てね~♪



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