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木を適材適所に使うとは?こけらのはなし

RELEASE:2023.05.22     UPDATE:2023/05/17
CATEGORY:ブログ, 社長ブログ, 自然素材
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皆さんこんにちは。

駿河屋の九代目 一桝です。

 

 

 

「こけら」っていう言葉ご存知ですか?

 

漢字では「柿」と書きます。

 

 

武家屋敷や古い民家の屋根や塀には木を薄く切った板を葺いた(ふいた)ものがありました。

 

今でも神社などの古いものは、薄い板で屋根を葺いたものがあります。

 

これを「こけら葺き」と言います。

 

屋根というと瓦やトタン、銅板などが一般的ですが、

 

昔は身の回りに大量にある、安く手に入りやすいものを使うのが当たり前でした。

 

なので、昔はアシやススキで葺いた藁葺きの家が沢山あったんですね。

 

 

ヒノキの樹皮で葺いた「檜皮葺き」(ひわだぶき)や杉の樹皮で葺いた「杉皮葺き」(すぎかわぶき)

 

そして、先ほど説明した薄い板で葺いた「こけら葺き」が一般的だったのです。

 

 

 

それから防火のもんだいで、火に弱いこうした素材は使われなくなっていきました。

 

そのため、現在では文化財のような建物でしか見られなくなりました。

 

 

 

ところで「こけら落とし」って聞いたことありますよね?

 

実はこの「こけら」も屋根に関係します。

 

「こけら」とは、木を削ったり切ったりしたときにでる「木のくず」という意味もあります。

 

新しい劇場を建築した時に、最後に手を入れた屋根などの木の『こけら』を払い落としてから、公演を始めたことが言葉の由来です。

 

『こけら落とし』という言葉は、昭和初期からの文献などに見られるので、演劇界ではそれより前、例えば明治・大正期ごろには使われ始めていたのではないかと言われています。

 

2013年に新しくなった東京銀座の歌舞伎座の『こけら落とし公演』が話題になりましたね。

 

 

さて、この「こけら」ですが、かならず木の赤身部分が使われています。

 

丸太の断面を見ると、中心部分が赤く、樹皮に近い外側は白くなっているのがわかると思います。

 

 

赤いところを「心材」(芯材)や「赤味」(赤身)

 

白いところを「辺材」とか「白太」(しらた)と言います。

 

赤身は木が育ってから長い時間がたっている部分で、硬く、狂い(乾燥による変形)が少なく、耐久性があります。

 

白太は木の細胞としては若いので、やわらかく水分もおおいため腐りやすく、虫にも食われやすい部分です。

 

なので、白太は内装以外にはあまり使いません。

 

風雨に弱いからです。

 

でも、赤身ならなんでも屋根などに使えるかというとそうでもありません。

 

木の中心部分が残っている板は乾燥で割れやすく曲がりやすいからです。

 

周囲に比べて硬く、乾燥によって収縮する度会いが違うからです。

 

割れたりするので木つくられた船には絶対に使いませんでした。

 

亀裂から水漏れして転覆してしまうからです。

 

木はどこの部分を使っても一緒じゃないんですね。

 

白太は内装で使われますが、階段に部分的につかうと、暗い中でも段々が認識しやすく歩きやすかったりします。

 

適材適所に使われる木というのは、本当に先人の知恵を感じておもしろいものです。

 

 

 

 

────────────────────────

<編集後記>

 

木の使い方っておもしろいですよね~。

 

宮大工の口伝(口頭で受け継がれた教え)には

 

「木は方位のままに使え」

 

という言葉があります。

 

つまり、山の東側の木は家の東側に使いなさいという意味なんです。

 

建築って本当に自然と密接な繋がりがあったことがうかがえる言葉ですよね。

 

そういえば、日本で最後の宮大工と言われた西岡常一氏ですが、たしか農学部なんです。

 

宮大工を志した際に、先代の宮大工の父から農業を学ぶように言われたとかなんとか・・・。

 

この話しからも建築は自然と密接な繋がりがあったことがわかります。

 

ちなみに昔の宮大工は農業をしていて、寺社仏閣の建築がはじまると全国から腕利きが集まったそうです。

 

生活に苦しいときは田畑を売って暮らしたそうですよ。

 

僕たちの使う木が新月伐採材なのも、月の満ち欠けという自然の摂理にあった、昔ながらの本当の伐採方法だからです。

 

僕の会社では畑や田んぼをやっていますが、「創り手の気持ちを学ぶ、感じる」という意味合いもありますが、

 

宮大工が農業をしていたこととは少し違いますが、僕たちもそうした感覚と離れないようにという僕の想いがあるんです。

 

 

 

 

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