こんにちは。駿河屋の九代目当主一桝です。今日は昔の家と現代の家について考えたいと思います。シックハウス症候群が社会問題となった1990年代、それから国は健康を考えて住宅建材に関する法改正をしましたが、その効果は実はとても薄いものです。今日はそこらへんを勉強してみましょう。

それでは、今月も子育てママにお役にたてる、おうちの中で大切なこと、発信します！

【昔の住宅はどうして現代の住宅になったか】

住宅産業の近代の流れを簡単にご説明すると戦後の復興が大きな節目となります。

焼け野原となった日本は、人工を増やし労働力を増やし、経済成長を目指しました。

それにより、安く、早くできる住宅が求められたのです。

1945年の終戦から、1950年代には建設ラッシュとなりました。

その後、経済成長が進み、住宅メーカー建材メーカーも増え、安く、早くできる

建材と住宅が造られるようになりました。

国内の木も、足りなくなるほどになり1964年には、本格的に輸入木材の自由化となりました。

1980年代にはアメリカが本格的に日本との貿易赤字に悩んでおり、実質的に円高ドル安に誘導するための「プラザ合意」がなされました。

ただでさえ安い輸入木材ですが、1985年のプラザ合意で、ますます価格差が開き

国産材は本格的に使われない時代となったのです。

また、建材は石油製品に移行し、早く、簡単につくれる住宅にはなりましたが

本来、人間が住むことに適した住宅からはだんだんと乖離していってしまったのです。

そうした建材から発散される化学物質の影響でシックハウスが社会問題となったのは1990年代からでした。

しかし、こうした化学物質の使用を制限する法律が改正されたのは2003年になってからですがそれはごくごく一部の化学物質だけだったのです。

なぜかというと、法改正というのはだいたい法改正で一番影響を受ける業界団体と一緒に協議して進めていくものです。ですのでこの法改正はベニヤや合板フローリングなどを製造する、合板業界と進められました。

合板業界として、譲れるところは最大限譲ったのかもしれませんが、本来私たちが望む基準には、まだまだ及びない範囲での改正となりました。

規制された薬品はクロルピリフォスとホルムアルデヒドの２種類のみ。しかし厚生労働省は１３物質を人体に好ましくない化学物質として上げています。

ですので、現代住宅は「体に好ましくない建材でつくるので、化学物質が発散する家になるので２４時間換気してなさい」という、非常に不思議な法律なんです。

しかもリノベーション（フルリフォーム）では２４時間換気は義務付けられていません。

ですので、一般的はビニールクロスや合板フローリング、中国産の畳でリノベーション（フルリフォーム）した部屋に、換気をしないで住んでいると、具合が悪くなるのは当然ですよね。

ですので正しい知識をもって、住まいてが住まいにつかう素材をしっかりと選ぶか、そうした知識が深い工務店や建築士さんにアドバイスを頂くことをおすすめします。