皆さん、和室はお好きですか？

私は大好きです。

畳の上で大の字になってする昼下がりのうたた寝は

何ものにも代えがたい、心地よいひとときですよね。

皆さんも経験があると思います。

しかし

その畳のほとんどが、中国産だとしたら、

皆さんどう思われますか？

またまだ中国の製品は、残念ながら品質に信頼があるとは

言い切れません。

私たちの責任である、"ご提案する素材の産地へ赴き、現地を確認すること"や

"生産者の想いを聞き、お客様に伝える"ことも、

中国であれば、正しく判断することが私にはできません。

当然ながら、表の素材である「イ草」の生産管理体制も、私が確認することが出来ません。

そうした中国のイ草が、現在の日本の畳の8割を占めていると知ったのは数年前でした。

さらに

現在流通している畳のほとんどが、化学床と言われるスタイロ畳などです。

また、イ草は通常「どろ染め」を行うのですが、

現代では薬品で染めています。

これは

私たちユーザーが、「青々としたイ草」を安く欲しいと言い続けた結果なのです。

先日当社にご相談にいらした科学物質過敏症の方は

「ホームセンターで畳コーナーを避ける」

とおっしゃってました。

また、売り方も巧みになってきており

「Made in china」とは表示しなくなってきたなんていう話しも聞きます。

健康をうたって、スタイロ床ではなく、紙を使ったものなどもあります。

マンションでは通気などの問題から、わら床ですとカビ発生のリスクがありますが

戸建住宅でしたら、是非わら床をえらんで頂き

本物の畳の良さを味わって頂きたいと思います。

それは、踏み心地から経年変化後の艶や色合いなど、

ここでは伝えきれないほどの違いがございます。

■日本の畳が無くなる

畳表の産地は、広島や岡山、そして熊本が有名でしたが

日本のイグサ農家はどんどん衰退し、現在では広島、岡山は数軒が残るのみ

熊本の八代も、跡取りもおらず、危機にさらされています。

日本人がつくったイ草の畳が無くなる。

考えただけでも恐ろしく、そして哀しいことです。

こうした背景から、私は「本物の畳」を探すことに加え、

「本物の畳」を残すことにも携わっていきたいという気持ちが高まってきました。

当社の扱う畳は、熊本の八代で生産された

有機に近い状態で栽培され、生産者の明らかな素晴らしい畳ですが

「もっと現地生産者がどういった想いで取り組んでいるのか知りたい」

「本物に対する拘りを知りたい」

という気持ちもがどんどん大きくなってきました。

そんな時、

日本の伝統文化を守るという想いで活動されているＳＡＭＵＲＡＩ.ＪＰの

フリーカメラマンであり、故夏目雅子さんの写真集でも知られる

田川清美さんとのご縁から

「日本の畳を守る」想いで活動されている

「畳屋道場」の代表、鏡さんをご紹介頂くことが出来ました。

この鏡さん。

本当に素晴らしい人で、日本の畳屋さん、畳文化を必死に守る活動の一環として

「畳職人に熊本の八代でイ草の刈り取り体験をしてもらう」

ということをされています。

イ草農家の方々の想いを体感した畳職人さんはに込める想いもおおきく変わり、

国産への販売意欲が高まり

その結果、お客様も納得をして国産畳を選ばれるそうです。

これは駿河屋の「創り手の想いを住まい手に繋げる」

というものと全く同じだと感じて、感動してしまいました。

また、「畳屋道場」の動画を見た瞬間に

「ここにいかねばならない」

という気持ちがしっかりと固まり、

すぐさま、田川さんに

「イ草の刈り取り研修に行きたいので是非、鏡社長を紹介して欲しい」

とメールを送っておりました。

今の世の中は、価格競争と偽物主義、本当に素晴らしいものを

お客様へお届けしたいという心をもった売り手が減ったように思われるのは

とても残念なことです。

 本物の畳を求める旅-２へつづく

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