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359年目を迎える会社の事業承継をする方法(息子を育てるということ5)

RELEASE:2015.11.17     UPDATE:2016/12/08
CATEGORY:ブログ, 家族について, 社長ブログ
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事業承継に悩む社長は多いと思います。

 

事業承継を出来なくて廃業にしたり

M&Aをしたりする会社は沢山あります。

 

今日は、今期359年目を迎える駿河屋の

代表である僕が今まで経営をしてきた中で、

子育てと事業承継について1つの結論に至ったお話しをします。

 

子供の進路相談

子供の進路相談

 

最近、家族そろって

ゴハンを食べる時間が増えました。

 

僕の休日のトレーニングが結構ハードなので

リカバリーの為に平日の夜のトレーニングが減ったのが

一番の理由なんですが・・・。

 

そんな食卓で、思春期の子供たちから

少しずつ進路の話しが

出てくるようになったんです。

 

高三の娘はAO受験で進路がサッサと決まりました。

 

中三の息子も中高一貫校なので

進路について悩む時期はまだ先だと思っていたのですが

 

なんと、高一の秋には理系か文系か

決めなければならないそうで

今から色々と考え始めているようです。

 

事業承継を息子に伝える方法

事業承継を息子に伝える方法

 

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僕は材木業の父から事業承継を

強く強制されたわけではありません。

 

「材木業という商売が

あまり時代に合わなくなってきたので

何か自分で商売を考えてもいいぞ」

 

「せっかく300年以上も続いた屋号

「駿河屋」は残せるなら残したほうが

いいんじゃないか」

 

そう言われて育ちました。

 

一見、自由な選択を任されたようですが

長い歴史のある暖簾「駿河屋」の名前を

なんとしても残さなければならない。

そう、小学校高学年くらいから強く感じていました。

 

でも 

材木商にこだわること無く

職業の選択肢は無限なんだと思うと

どういう形で会社を残していくか

とても悩んだ青年期でもありました。

 

結果的に、建築が好きだったので

先行きの難しい材木商をやめ

建設会社として事業を再スタートしました。

 

これは僕が自ら選んだ道です。

何があっても不満も後悔もありません。

 結果的にもとても良かったと思っていますし

そうしたチャンスをくれた父に感謝しております。

 

なので、

もし息子が生まれたら、

僕の親父が幼い頃から僕に伝えてきたように

 

事業承継について話し続けることで

長男の意識は自然とそうなって行くものだ

 

そう思っていました。

 

事業承継とは息子に言い続ければ良い・・・。

言い続ければ息子の意識は自然とそうなる・・・。

しかし、それは大きな間違いでした・・・。

 

 

で、息子誕生しました。

で、息子誕生しました。

 

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待望の長男が生まれました。

生まれた時は分娩室で

ガッツポーズと雄叫びを上げて

先生に叱られました。

 

それくらい嬉しかった。

やはり10代目誕生ということが何より嬉しかったのですが、

 

老舗企業の長男の嫁である妻が

少なからず感じていたプレッシャーから解放されること。

それも嬉しく、一安心したことでした。

 

まだ僕も若かったので

幼い息子に将来は僕の仕事を継ぐんだよ

という話しをよくしていました。

 

そう伝え続けることで

息子の意識は「事業承継」に向かうのだと信じて。

 

息子との距離が開いていった

息子との距離が開いていった

 

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子供たちへの「しつけ」は

多少厳しいくらいだったと思います。

やっぱり、ちゃんとした人になって欲しいから。

 

挨拶や食事の仕方など大切ですし

親なら当然だと思います。

 

現在17歳の長女に対しては

ある程度、人間としての「しつけ」が出来たら、

あとは好きにさせました。

 

そのせいか

現在17歳の娘とは結構仲が良くて

二人で旅行にいったり

中2まで一緒にお風呂入ったり

 

でも息子とは、

幼少期の厳しい躾をしているさなかに

会社がとても忙しくなったり

社会人大学院に通うようになったり

 

自宅に寝に帰るだけの日々が続き

子育てに大切な時期に

一緒にいる時間が全くなくなりました。

 

なので、息子から見た僕は

 

「事業承継にうるさい父」

「しつけに厳しい威圧的な父」

 

のままだったので

気持ちがすれ違ったまま

息子は反抗期になってしまいました。

 

それから

「事業承継」の話しをすると

とっても嫌な顔をするようになったんですよね。

 

とても悲しかったです。

 

事業は継がせるのではなく「継ぎたく」させる

事業は継がせるのではなく「継ぎたく」させる

 

僕は材木商から建設会社に事業変更をしましたが

主な仕事は「大企業からの下請け仕事」でした。

しかし、下請けをする自分にずっと不満を持っていました。

 

その理由は

僕も社員も楽しく幸せな仕事ではなかったし

なにより

「息子に継がせたい仕事ではない」

ということ。

 

この仕事では息子は幸せになれない

そう思ったんです。

 

建設会社の下請け仕事は

決して楽しい仕事ではありませんでした。

 

元請け会社さんからのお声がけで

定期的に仕事は頂けるのですが

 

お客様との距離が遠すぎて

一体誰の為に家をつくっているのか

果てしない虚無感が

永遠に続くような感じでした。

 

いくら懸命に働いても

全く会社にお金が残らないのです。

 

当時の取引会社様には

大変申し訳ないはなしですが、

 

こんなことは僕がしたい仕事じゃない。

僕がやりたいのはこういうことじゃない。

 

お客様の笑顔とスタッフの笑顔

「駿河屋さんと出会って良かった」と言われる会社

そんな会社にしたい。

 

そうした苦悩の中だったからこそ

社会人大学院大学へ

自分のやりたい夢の実現の為に入学したのですが

 

その学びを続けていくなかで

自分のやりたい事が、

どんどんあふれ出てきたんです。

こんな事は始めてでした。

 

そして今の業態へ変化させたのですが

その変化していくなかで、

1つのことに気づいたんです。

 

「そうか、事業継承というのは

『継がせて欲しい』と言わせるような

魅力的な会社にすればいいんだ」

 

それでこそ、未来に残せる企業じゃないか。 

誰も事業承継したくない会社なんて

そもそも次の時代まで残る価値がないじゃないか。

 

息子のやりたいこととは

息子のやりたいこととは

 

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15歳の息子は

「○○大学」や「○○大学」に行きたい

といいました。

 

でも本当に行きたい学校なのか?

息子は僕より体格が良いですが

まだまだ子供です。

 

カミサンや世間が良いと言っているから

自分も「とりあえず言っている」だけではないか。

 

「将来、やりたいことはなに?」

 

と聞くと

 

「まだわからない」

 

といいます。

この年齢で将来の夢が語れる子供は

それほどいないと思いますので

この答えは健全だと思います。

 

僕は「勉強しなさい」とは言いませんが

 

「将来の仕事を決めたり、夢が見つかったときに

選択肢は少ないより多いほうがいいよ」

 

という話しをします。

そのために学歴や成績は

マイナスになることはないからです。

 

具体的にやりたいことが見つかれば

その道に進むのに

より良い勉強が出来る学校を選びなさい。

 

見つからなければ、

選択肢が広がるような学校を選びなさい。

 

そう伝えました。

 

 

誰もが「事業承継したい」と言いたくなる会社にする

誰もが「事業承継したい」と言いたくなる会社にする

 

誰もが事業承継したくなるような

魅力的な会社にすればいいんだ。

 

そう気づいてからは

息子との接し方も変わりました。

 

自分自身がしっかりと会社を経営し

地域から愛される

「駿河屋さんがあって良かった」

そう言われる会社。

 

就職が駿河屋に決まったと言うと

「いい会社に入ったねぇ」と言われる会社。

 

そんな皆から愛される会社を一生懸命に目指せば

きっとそういう会社になれると思い進んできました。

 

その結果、少しずつ皆さんから

かわいがって頂ける会社になってきました。

 

事業継承はしなくてもいい

事業継承はしなくてもいい

 

それから息子には

「事業継承はムリしてしなくても良い」

「好きなことをやりなさい」

 

と言っています。

 

なぜか?

 

それは

強制的に事業継承させても

不満ばかりになりますし

大切な親子関係まで

おかしくなってしまうからです。

 

会社は大切ですが

家族はもっと大切です。

家族を大切に出来ない人は

社員を大切にすることは出来ないと思います。

 

今、事業継承が出来ずに

M&A(合併買収)となってしまう事例が

とても多くあります。

 

それだけ事業継承は難しく

準備にも時間がかかるものです。

 

しかし、

 

「やりたくない人」に

無理矢理やらせるわけにはいきません。

 

それよりも

「やらせて欲しい」という人に

事業承継して頂くほうが

よっぽど会社もうまくいくでしょうし

社員も幸せだと思うのです。

 

でも、心のどこかで安心しているのは

「継がせて欲しい」と息子が言うような

魅力的な会社に益々なっていくという自信が

自分の中にあるからなんです。

 

思春期の子育てもタイヘン

思春期の子育てもタイヘン

 

これを読んでくださっている

沢山のお父さんやお母さんは

 

昔の僕のように、子供に

「将来を押しつける」ようなことは

していないと思います。

 

僕はずっと、

自分の幼少期、少年期にやってきて「良い結果が出たこと」を

息子に押しつける子育てをずっとしてきました。

 

なぜなら、

それで僕は一応「おとな」になれたからです。

 

でも自分と息子は全く違うんですね。

血は繋がっているのに全く違う。

資質も性格も別人なんです。

(見た目ソックリで笑っちゃいますが)

 

そんな、今となってみれば

あたりまえのことが分からなかったから

親子関係ももつれ始めたのだと思います。

 

でも

あるときに気づいて

息子を信頼し任せるようにしてから

親子関係は改善して来ました。

 

事業承継について

僕が一切言わなくなったのも

そうした事があったからです。

 

僕たち親ってついつい

「子供のためを思って」と、

口うるさく言いがちですが

 

子供を「信頼」し「任せる」ことが

実は子供自身が一番悩み、葛藤し

真剣に自分自身と向き合い

強く成長できることだと思います。

 

子供としてはとっても大変なんですが

大人になったらその繰り返しです。

 

今のうちから練習させるつもりで

「親の理想」を押しつけてばかりいないで

自分自身でちゃんと考えさせることが

強い大人に育てる親の努めなのかもしれません。

 

僕たち親が子供に望むことは

成績が優秀だとか、いい大学に入るとかではなくて

ちょっとやそっとじゃへこたれない強い心で

自分の夢を実現させる力をもった大人になってくれること。

 

そしてちょっぴりチャーミングで

皆から愛される人になってくれること。

 

言われたことにだけ取り組むのが

人生で一番楽なことですけど

それではせっかくの人生を「味わう」ことが出来ないので

とてももったいないと思います。

 

子供の将来は自分の頭で考えさせる。

そのためのアドバイスやサポートを親がする。

そんなことで良いんだと思います。

 

子育ては「信頼する」

ということが一番大切です。

 

そういえば相手を信頼するのは

人間関係の始まりであり、全てですよね。

 

子供を育てることも

人と人の関わりである以上

一緒のことなのに

そんなことにやっと気づきました。

 

はぁ~・・・。

そんなことを夕飯中にぼーっと考えていると

 

「絶対パパは唐揚げ10コ以上食べた!」

 

などと言われた夜でした。

 

関連ブログ

息子を育てるということ。

息子を育てるということ2

息子に伝えたい「人生のハンドルを握っているのは誰か」(息子を育てるということ3)

僕は柔道少年だった(息子を育てるということ4)

その他 家族について

 

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<編集後記>

先日の雨で、山でのトレーニングが中止になりました。

 

そこで、ずっと話しをしたかったことを

カミサンをひっぱりだして、スカイツリーのカフェで

3時間くらい話しをすることが出来ました。

 

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カミサンも色々と息子の進路で悩んでいたり

その他にも普段できない話しが出来て良かったです。

 

お互い夫婦のコンセンサスが取れたので

久しぶりに外食をしながら息子に

それとなく将来の話しをしようということになり

夕飯は息子の好きな焼き肉屋さんへ。

 

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息子も最近やっと僕の話を

ちゃんと聞いてくれるようになってきました。

 

 

 

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